【COMPUTEX 2026 現地レポート Part3】GIGABYTE、MSI、Western Digital 展示レポート
台北・南港展覧館で開幕した「COMPUTEX 2026」。
Part3となる今回は、GIGABYTE、MSI、Western Digitalの3社の展示内容を中心にご紹介します。
現地レポート Part1はこちら:COMPUTEX 2026 現地レポート Part1
現地レポート Part2はこちら:COMPUTEX 2026 現地レポート Part2
目次
GYGABYTE社 -「Shaping the Next Generation of AI」が示す、GPUサーバーから「AI Factory」へ-

GIGABYTEでは次世代AIデータセンター戦略として、サーバー単体の提供にとどまらず、「設計・検証・管理・運用」の全フェーズで、ソフトウェアとファシリティ(設備)を一体化したトータルソリューションが紹介されていました。
- GAIFA (GIGABYTE AI Factory Accelerator)(GAIFA):
モデルのトレーニングからデプロイまで、AIパイプライン全体を高速化する圧倒的な計算基盤を提供 - GIGABYTE Accelerated Deployment Unit(GADU):
着工前に3Dデジタルツイン上で電力や液体冷却(CFD)のシミュレーションを行い、設計競合を自動解決することで、コンテナ型データセンターを迅速に展開。 - GIGABYTE POD Manager(GPM):
ハードウェアだけでなく、冷却・電力まで含めたインフラ全体をリアルタイム監視し、GPUリソースの最適化を行うマルチテナント向け「計測・制御可能なサービス」。
次世代ハードウェアの展示
NVIDIA Vera Rubin NVL72 ラックシステム: 次世代GPUを搭載し、超巨大AIモデルのトレーニングとミリオン(100万)トークンのコンテキスト処理を可能にする高密度ラック。
来場者による写真撮影が絶えず、注目度の高さがうかがえる展示でした。

水冷システム・全体像
写真左の冷却制御ユニット(CDU)から、右側の水冷サーバーラック群への、無数の冷却配管がシームレスに結合しています。
大規模な冷却システムの全体像はまさに圧巻!

液浸冷却タンク・ブースおよび液浸冷却タンク・内部構像
写真左の巨大な黒い箱は、大型の「液浸冷却タンク」です。 サーバーを丸ごと液体に沈める設計で、ファンノイズ(騒音)抑え込みます。タンクの内部も公開されており(写真右)、サーバーブレードが垂直に格納されているのがわかります。


世界中の企業が「莫大な電力不足」と「空冷の限界を超える熱問題」に頭を悩ませています。サーバー単品の性能競争ではなく、インフラ設備全体パッケージとして、解決策を提示していたGIGABYTEは、AIデータセンター構築における新たな選択肢として存在感を示していました。
MSI社 -創立40周年!MSIが掲げる次世代のテーマ「Innovate Beyond」でAIインフラへ進出-


創立40周年(MSI 40th ANNIVERSARY)を迎えたMSIのブース正面に掲げられた記念ロゴとステートメント(写真上)。
ゲーミング分野で培った技術力を背景に、AIインフラ市場への注力を印象付ける展示となっていました。

AMD EPYCやIntel Xeonを搭載した最新のエンタープライズサーバーがズラリと並ぶ展示エリアです。

ラック背面に整然と張り巡らされたDLC(直接液体冷却)用の高圧配管システム。 「往き」の冷媒供給を青、「戻り」の排熱系統を赤で視覚的に色分けし、メンテナンス時の誤接続を防ぎつつ高密度チップの熱をピンポイントで回収する実戦的な設計です。
長年培った確かなハードウェア設計の技術力を武器に、本格的にエンタープライズ・AI市場へと舵を切ったMSI。 展示されていた高密度サーバーや実戦的な直接液体冷却(DLC)システムからは、次世代インフラへの本気度と高い完成度がダイレクトに伝わってきました。
ゲーミング分野で培った技術力を基盤に、AIインフラ領域での存在感を高めようとする同社の姿勢が感じられました。
Western Digital社 -「No HDDs. No AI. Build with certainty.」AI時代のデータを支えるストレージ技術の進化-

AI活用の拡大に伴い、学習データや生成データを保存するための大容量ストレージの重要性が高まっています。超高速なSSDだけでなく、大量のデータを安全かつ低コストで期保管できる「大容量HDD(Ultrastar)」や「高密度ストレージプラットフォーム(JBOD)」を通じて、同社はAI活用の拡大を支えるデータ保管基盤として、こうした大容量ストレージの価値を訴求していました。


4Uのスペースに最大60台、あるいは102台の大容量HDDをハニカム構造のように超高密度で詰め込める「Ultrastar Data60 / Data102」ハイブリッドストレージプラットフォーム(JBOD)の実機です。
※写真はUltrastar Data102

この筐体は単にHDDを高密度に搭載するだけでなく、振動や発熱による影響を抑えるための工夫が施されています。
高密度実装環境では、隣接するドライブからの振動や内部の熱が故障率の上昇につながるため、Western Digitalは独自の振動隔離技術「IsoVibe」や冷却技術「ArcticFlow」を採用し、ストレージの信頼性向上を図っています。
AI活用の拡大に伴うデータ増加を支える基盤として、Western Digitalのストレージ技術は重要な役割を担っています。
ブースでは、大容量HDDと高密度JBOD(Ultrastar Dataシリーズ)の組み合わせを通じて、AI活用の拡大に伴うデータ保管需要への対応を提案していました。SSDによる高速処理だけでなく、IsoVibeやArcticFlowといった技術により信頼性にも配慮した設計となっており、AIインフラを支えるストレージ基盤として、その重要性を印象付ける展示となっていました。
まとめ
今回ご紹介した3社の展示からは、AIインフラ市場が単なるサーバー性能の競争から、より包括的なインフラ提案の時代へ移行しつつあることがうかがえました。
GIGABYTEはデータセンター全体を見据えたトータルソリューション、MSIは高密度化に対応する冷却技術、Western Digitalは増大するデータを支えるストレージ基盤と、それぞれ異なるアプローチを展開していましたが、いずれもAI活用の拡大を支えるインフラの重要性を強く意識した内容となっていました。
AIの普及に伴い、求められるのは単一製品の性能だけではなく、電力・冷却・運用管理・データ保管までを含めた総合的な最適化です。今回の展示は、そうした市場の変化や今後の方向性を感じさせるものであり、AIインフラを取り巻く技術や提案の広がりを改めて印象付ける内容となっていました。
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この記事を書いた人

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