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AIインフラに最適なのはどれ?主要プロセッサの違いと用途を解説【トゥモロー・ネット テックブログ】

はじめに

近年、AIの普及とともに「GPU」や「NPU」といったプロセッサの名称を目にする機会が増えています。
さらに、GoogleのTPUや生成AI向けのLPU、データセンター向けのDPU、量子コンピュータで利用されるQPUなど、多種多様な「○PU」が登場しています。

しかし、「結局それぞれ何が違うのか」「自社の用途にはどれが適しているのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、CPU・GPUをはじめとした、各プロセッサの特徴や違いをわかりやすく解説するとともに、用途ごとに最適なプロセッサを紹介します。

なぜ今、CPU以外のプロセッサが登場しているのか

これまでコンピュータの処理はCPUが中心でした。しかし、AIやビッグデータ解析、クラウドサービスの拡大により、高速かつ効率的な処理が求められるようになっています。

こうした背景から、画像処理やAI、ネットワーク処理など、特定の用途に特化したプロセッサが次々と登場しました。それぞれ得意とする処理が異なるため、用途に応じて使い分けることが重要です。

では、各プロセッサそれぞれにはどのような特徴があり、どのような場面で活用されているのでしょうか。
次章で解説していきます。

プロセッサごとの特徴と違い

AIやITインフラで利用されるプロセッサには、それぞれ得意とする処理や用途があります。そのため、「どれが優れているか」ではなく、「何を実現したいか」に応じて適切なプロセッサを選ぶことが重要です。
CPUは、OSや業務アプリケーションなど幅広い処理を実行する汎用プロセッサです。一方で、大量のデータを同時に処理する用途には限界があります。

プロセッサ主な役割特徴主な用途
CPU汎用処理幅広い処理を柔軟に実行できるコンピュータの中核業務システム、仮想化、Webサーバー
GPU並列処理大量のデータを同時に処理でき、AIや画像処理に適しているAI学習・推論、画像処理、HPC
TPUAI専用処理機械学習に特化したGoogle独自のプロセッサGoogle Cloud上でのAI開発・推論
NPUエッジAI処理低消費電力でAI推論を高速に実行AI PC、スマートフォン、IoT機器
LPU生成AI推論LLMの推論処理を高速化することに特化チャットボット、生成AIサービス
DPUインフラ処理ネットワークやストレージ処理をCPUからオフロードデータセンター、クラウド基盤
QPU量子演算量子ビットを用いた特殊な計算を実行研究開発、創薬、最適化問題

このように、各プロセッサはそれぞれ異なる役割を担っています。次の章では、それぞれの特徴や仕組み、どのようなシーンで活用されているのかを詳しく解説します。

用途別に見る最適なプロセッサの選び方

各プロセッサはそれぞれ得意とする処理が異なります。ここでは役割ごとに分類し、それぞれの特徴や活用シーンをご紹介します。

① 汎用処理を担う「CPU」

CPUは、コンピュータ全体の制御を担う中核となるプロセッサです。OSや業務アプリケーションの実行、データ処理など幅広い用途に対応できる高い汎用性を備えており、サーバーやPCには欠かせない存在です。
一方で、AIの学習や推論で必要となる大量の並列演算には向いておらず、AI用途では他のプロセッサと組み合わせて利用されることが一般的です。

② AI処理に最適な「GPU・TPU・NPU・LPU」

AI処理では、膨大なデータを同時に計算する並列演算が求められます。そのため、CPUではなくAI向けに最適化されたプロセッサが利用されます。

GPUは、多数の演算を同時に実行できる並列処理性能を備えており、生成AIや機械学習における学習・推論の両方に対応できます。幅広いAIワークロードに対応できることから、現在のAI基盤で最も広く採用されているプロセッサです。

TPUはGoogleが開発した機械学習に特化したプロセッサで、大規模な行列計算を同時に処理できるため、複雑なニューラルネットワークの学習を高速化させることができます。
Googleクラウド上で活用することができ、主にGeminiでの学習やYoutubeやGoogle検索などの履歴からユーザーの好みを把握するレコメンデーションに活用されています。

NPUは、AIの推論処理に特化したプロセッサです。低消費電力でAI推論を実行できるため、クラウドを利用せずデバイス上でAIを動作させる「エッジAI」に適しています。また、AI機能を有したスマホやIoTデバイスなどにも組み込まれています。

LPUは、大規模言語モデル(LLM)の推論処理に特化したプロセッサです。生成AIの応答速度を重視する用途で活用されており、チャットボットなどリアルタイム性が求められるサービスに適しています。

このように、同じAI向けプロセッサでも得意分野は異なります。その中でもGPUは、学習から推論まで幅広い用途に対応できる汎用性の高さから、多くの企業でAI基盤の中心として採用されています。

③ インフラを支える「DPU」

DPUは、ネットワークやストレージ、セキュリティなどのインフラ処理をCPUから切り離して実行するためのプロセッサです。AIを直接実行するものではありませんが、CPUの負荷を軽減し、データセンターやクラウド基盤全体の処理効率を向上させる役割を担っています。

④ 次世代技術を担う「QPU」

QPUは、量子コンピュータで利用されるプロセッサです。量子ビットを用いた従来とは異なる計算方式により、創薬や材料開発、金融シミュレーションなど高度な研究分野での活用が期待されています。
一方で、現時点では一般企業で利用されるケースはまだ限定的であり、今後の発展が期待される技術です。

このように、各プロセッサは目的に応じて設計されています。なかでも現在の生成AI開発分野では、学習から推論まで幅広く対応できるGPUが中心的な役割を担っています。

AIインフラにおいてGPUが選ばれている理由

数あるプロセッサの中でも、現在のAI市場において中心的な存在となっているのがGPUです。
その理由の一つは、学習と推論の両方に対応できる汎用性の高さです。

TPUやNPUは特定用途に最適化されている一方、利用できる環境に限られる場合がありますが、GPUは生成AI、画像認識、自然言語処理、シミュレーションなど幅広いワークロードに対応できるためPoCから本番運用まで同じ基盤を活用しやすいメリットがあります。

「NVIDIA GPUが広く採用される理由」

GPUの中でも、特にAI分野で高いシェアを占めているのがNVIDIA製GPUです。その大きな理由は、GPU単体の性能だけでなく、AI開発を支えるソフトウェア環境が充実していることにあります。

代表的なものがCUDAです。CUDAはNVIDIAが提供するGPU向けの開発プラットフォームで、多くのAIフレームワークやライブラリが対応しています。そのため、開発者はGPUの性能を引き出しやすく、多くの企業でもNVIDIA GPUを前提とした開発・運用が行われています。

さらに、最新の生成AIモデルや各種AIツールもNVIDIA GPUでの動作を前提に最適化されているケースが多く、検証環境から本番環境までスムーズに移行しやすい点も評価されています。

もちろん、用途によってはTPUやNPU、LPUが適しているケースもあります。しかし、これからAI活用を始める企業や、将来的な拡張性まで考慮するのであれば、幅広いAIワークロードに対応できるGPUが、現時点では最も選択しやすいプロセッサの一つと言えます。

AI開発を成功させるにはGPUだけでなく、基盤全体の設計も重要

AI開発では、GPUを選ぶだけでなく、用途に合わせた基盤全体を設計することが重要です。ここでは、AI基盤を検討する際に押さえておきたい主なポイントを紹介します。

  • ハードウェア
    GPUだけでなく、CPUやメモリ、ストレージ、ネットワークを用途に応じてバランスよく構成することが重要です。特に大規模AIでは、データの読み書きやGPU間の通信性能も処理速度に大きく影響します。
  • ソフトウェア
    AI開発では、CUDAをはじめとするGPU向けフレームワークや、ドライバ、ライブラリなどのソフトウェア環境も重要です。GPUの性能を最大限に活用するには、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの互換性やバージョン管理も考慮する必要があります。
  • 開発・運用基盤
    AI開発では、仮想マシンやコンテナを活用して開発環境を管理するケースが一般的です。複数の開発者やプロジェクトでGPUリソースを効率よく共有するためにも、用途に応じた仮想化・コンテナ基盤の導入が求められます。
  • 環境・運用
    AI基盤では、高性能GPUを安定して運用するための電源容量や冷却設備も重要な要素です。また、PoCや短期利用にはクラウド、本格運用や機密データを扱う環境ではオンプレミスなど、利用目的に応じて最適な運用形態を選択することが重要です。

AI基盤の導入では、GPUの選定だけでなく、これらの要素を含めて設計することで、性能や運用効率を最大限に引き出すことができます。特に長期的なAI活用や自社データを扱う環境では、柔軟に拡張・運用できるオンプレミスのGPU基盤も有力な選択肢となるでしょう。

まとめ

CPU・GPU・TPU・NPU・LPU・DPU・QPUは、それぞれ得意とする処理や用途が異なるため、目的に応じて選択することが重要です。

その中でも、現在のAI開発では、学習・推論の両方に対応できる汎用性や、充実した開発環境から、GPUを中心としたAI基盤が広く採用されています。また、GPUの性能を最大限に活かすには、ハードウェアやソフトウェア、運用環境まで含めた基盤全体の設計も欠かせません。

AI基盤やGPUサーバーの選定・構築をご検討の際は、ぜひトゥモロー・ネットにお問い合わせください。

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この記事を書いた人

株式会社トゥモロー・ネット

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