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GPU性能の見方とは?性能比較表・指標にすべき点や選定のポイントを解説

GPU選びで失敗しないためには、性能比較表の数値だけでなく、用途に合った指標を正しく見ることが重要です。 メーカーや世代、モデルによって性能差が大きく、見方を誤ると「オーバースペックでコストが無駄になる」「処理能力が足りず目的を達成できない」といったミスマッチが起こります。
本記事では、GPU性能の見方や性能比較表、比較時に注目すべき指標を整理し、用途別にどのポイントを重視すべきかを分かりやすく解説します。GPU選定の判断材料としてご活用ください。

GPUの基礎知識

ここでは、GPUの役割やCPUとの違い、種類ごとの特徴について、基礎から分かりやすく解説します。

GPUとは

GPU(Graphics Processing Unit)は、画像や映像の描画処理を中心に担当する演算装置です。
多数の演算を同時に行える並列処理性能に優れており、ゲームや映像処理に加え、近年ではビッグデータ解析やAI・機械学習分野でも幅広く活用されています。

GPUとCPUの違い

CPUは、さまざまな処理を順序立てて実行する汎用的な演算装置で、いわば「コンピューターの司令塔」です。
一方GPUは、多数のコアを用いて同じ計算を一斉に処理することを得意としており、画像処理や行列演算などの大量計算を高速に実行できます。
CPUが全体の制御や判断を担い、GPUが計算量の多い処理を分担することで、コンピューター全体の処理効率が向上します。

GPUのメリット

GPU最大のメリットは、大量のデータを同時に高速処理できる点にあります。
並列処理に優れているため、画像・映像処理はもちろん、AI学習、機械学習、シミュレーション、ビッグデータ解析など、計算量の多い処理を大幅に高速化できます。
また、CPUの負荷を分散できるため、システム全体の処理効率や応答性が向上する点も大きな利点です。特にサーバーやクラウド環境では、処理時間の短縮がコスト削減や生産性向上につながります。

GPUのデメリット

GPUは高性能である一方、発熱や消費電力が大きくなりやすいという特徴があります。
性能が高いほど冷却装置の強化が必要になり、電力消費や動作音が増える傾向があります。ただし、近年では省電力設計や冷却性能が改善された製品も増えており、用途によってはこれらの課題が抑えられる場合もあります。

GPUの種類と特徴

GPUは搭載方法や利用形態によって、主に以下の3種類に分けられます。

グラフィックボード

GPUを搭載した拡張カードで、高度な映像処理や3Dゲーム、動画編集などに適しています。高い処理性能を発揮できる一方で、発熱や消費電力が大きくなりやすい点が特徴です。

内蔵GPU

CPUに組み込まれたGPUで、事務作業やWeb閲覧などの日常的な用途に十分対応できます。消費電力が低く、コストを抑えられる点がメリットです。

GPUクラウド

クラウド上のGPUサーバーをインターネット経由で利用する形態です。初期投資を抑えつつ高性能なGPUを必要な分だけ利用できるため、AI開発やデータ解析用途で活用されています。一方で、カスタマイズ性や長期利用時のコストについては検討が必要です。

GPUの代表的なメーカー

まずは、GPUの代表的なメーカーについて紹介します。GPUの2大メーカーは「NVIDIA」と「AMD」であるため、ここではそれぞれの特徴について解説します。

メーカー 主なGPUシリーズ 強み・特徴 向いている用途
NVIDIAGeForce、Quadro、Tesla、Jetson・AI/機械学習向けGPUに強い・対応PC・採用実績が非常に多い・開発ノウハウ・情報が豊富・HPCや大規模システムの実績多数生成AI、機械学習、HPC、大規模システム、ハイエンド用途
AMDRadeon ほか・高いコストパフォーマンス・グラフィックス/動画編集に強い・コンシューマーから企業向けまで幅広い製品展開ゲーム、動画編集、CG制作、小〜中規模システム

NVIDIA

NVIDIA社は、コンピューターグラフィックス、人工知能(AI)、ディープラーニング、仮想化技術などを手掛けるアメリカのテクノロジー企業です。

ゲーミングGPUだけでなくAI開発向けのGPUまで、あらゆる目的に対応できるGPUを世界中で提供しています。GPUを搭載した多くのPCは、NVIDIAのGPUを採用している点が強みです。例えば、GeForceシリーズやQuadroシリーズなどが展開され、GPUの第一人者として市場を牽引しています。

また、ディープラーニングやAI向けのプラットフォームである「NVIDIA Tesla」や「NVIDIA Jetson」なども展開しています。AI開発・利用の先駆者としてだけでなく、自動運転技術やロボティクスの分野など幅広く活用されている点も強みです。

さらに、GPUに関するノウハウがインターネット上に多く掲載されているので、開発における不明な点をすぐに解決できるメリットがあります。また、もう一つの代表メーカーであるAMDと比較して、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などの大規模なシステム構築事例も多くあります。

機械学習において活用できる機能やツールも豊富なことから、多くの技術者が利用しています。

AMD

AMD社は、マイクロプロセッサ等の開発・製造を主力としたアメリカの企業です。パソコンやサーバー市場における市場が大きく、x86アーキテクチャのCPUや、GPUの設計・製造で知られています。特にGPU分野においてはRadeonシリーズが有名で、ゲームやグラフィックス処理において高い性能を提供しています。

動画やCGなどマルチメディア関連の編集作業にも使いやすく、クリエイティブ業界で導入されていることも多いです。コンシューマー向け製品だけでなく、サーバーやデータセンターなど企業向けの製品も多数販売されています。

NVIDIA製に比べてAMD製のGPUは、機械学習の分野では優れていないとされています。ただ、コストパフォーマンスは好評であり、小規模なシステムでの活用には向いていると言えます。

GPUの性能の見方と指標にするべき点

GPUを検討する際は、製品やモデルごとのスペックを比較することが大切です。エントリーモデルからハイエンドモデルまでさまざまなGPUが提供されているので、用途やコストに見合った理想的なGPUを選択する必要があります。

下記ではGPUの性能の見方と指標にすべき点について解説します。

コア数と種類

GPUのコアの数が多ければ、複雑かつ膨大な計算でもスピーディーに処理できるメリットがあります。その他、解像度やリフレッシュレート、リアルタイムレイトレーシングなど高性能なグラフィックスを生成する際にもコア数の多い方が有利です。

「コア」はグラフィックス処理ユニット内部における基本的な演算ユニットで、GPUの数やグラフィックスメモリー(VRAM容量)を注力して比較します。

ただし、コア数が多いと高度な冷却機能が必要になる点に注意が必要です。消費電力が多いため発熱しやすく、大きな電力を要求するためサーバーの要件が厳しくなってしまう可能性があり、冷却性能や環境要件も厳しくなり、かつ稼動中の電力コストもそれに比例して上がります。

消費電力

高性能なGPUはより多くの電力を必要とすることが多く、よく比較しないまま購入してしまうと想像以上の電力コスト増にも繋がりかねません。従って、消費電力を抑えられる電源ユニットや電力供給システムが求められます。また、コア数が多いと消費電力も高くなってしまうので、この辺りはバランスを見極めた上でのGPU選定が重要です。

その他、消費電力が大きくなると発熱による熱暴走のリスクが高まります。GPUが熱を持つとパフォーマンスに影響するため、強固な冷却機能が必要となる点には注意が必要です。

冷却性能

GPUには、発熱による熱暴走やパフォーマンス低下を防ぐための冷却機能が搭載されています。適切な冷徹機能が備わってなければ、長時間の使用や負荷の高いタスク処理ができなくなる場合があります。その上、GPU自体の故障や寿命の短縮にもつながり、多くのコストを要してしまいます。そのため選定の際には、この辺りに十分留意が必要です。

なお、冷却機能にはいくつかの種類があり、ファンの回転により空気を送り冷却する「空冷」、GPU内部に水を流して冷やす「水冷」、液体窒素を使って冷やす「LN42冷却」に分かれます。

メモリ

メモリの多いGPUは、大規模のデータセットや複雑な計算をする際に有用です。データの保存領域が大きいため途中経過を保存しておくことができ、大量のデータ処理やディープラーニングのトレーニングに役立ちます。

また、高解像度な画像や動画を処理するときにも大きなメモリが役立ちます。4Kや8Kの動画でもリアルタイムに処理できる他、複数のタスクを同時進行しながら画像・動画を生成するなどフレキシブルな動きも処理できます。

同時に、メモリとプロセッサでデータを送受信する幅を示す「バス幅」も重要です。バス幅が大きいことで、データ送受信のスピードが速くなる他、一度に大量のデータをやり取りできるので処理スピードが速くなります。

コスト

コストについても、GPUの指標とすべき点では重要です。オンプレミスでGPUを導入する際、消費電力やメンテナンスにかかるコストも考慮しなければなりません。

GPUのコストは、性能・ブランド・モデル等により左右され、高性能であることや最新型モデルの場合はコストが高くなる傾向にあります。

反対に新しいGPUでも、エントリーモデルとして開発されているものであれば比較的安価に入手できるので検討するのもお勧めです。

とはいえ、GPUは「安ければ安いほど良い」ともいえません。用途によって求める性能は変わってくるため、まずは求める性能に達しているかを重視し、同じ性能のGPUをコスト別に比較して検討することが望ましいと言えます

GPU選定のポイント

最後に、GPU選定のポイントを解説します。用途に合った使いやすいGPUを探したいときは、以下を参考にしてください。

メーカーに着目する

GPU選定の際は、まずメーカーに着目します。既に多数のGPUを開発・提供しているメーカーや導入実績の多いモデルであれば、サポート体制も充実し、ネットでの情報も多いため困ったときに調査しやすく安心して購入できます。

具体的には、NVIDIAなど世界的に注目されているGPUメーカーを中心に、基本的なスペックや価格を比較してください。

利用シーンをイメージする

GPUを購入する前に、利用シーンをイメージしておくことが大切です。AI開発に活用するのか、高度なグラフィックス生成に使用するのか、没入感の高いゲームに使いたいのかなど、GPUの用途は多種多様です。「どんな用途か」次第で求めるスペックも変わってくるので、まずは目的を明確化することが必要です。

また、使用する年数や他に活用するデバイスとの互換性に合わせて選ぶなど、幅広い用途を考慮することも大切です。GPUは高価なものなので、この辺りのイメージをできるだけ広げた上で選定することが失敗しないコツだと言えます。

GPUに関するよくある質問

GPUに関するよくある質問をご紹介します。

GPUはどんな用途で必要になりますか?

GPUは主に以下の用途でGPUが活用されます。
・ゲームや3Dグラフィックス
・動画編集・CG制作
・AI・機械学習
・科学技術計算やシミュレーション
軽い事務作業やWeb閲覧のみであれば、高性能なGPUは不要な場合もあります。

内蔵GPUとグラフィックボードの違いは何ですか?

内蔵GPUはCPUに組み込まれており、省電力・低コストが特徴です。一方、グラフィックボードは外付けGPUを搭載しており、高負荷な映像処理やゲーム、クリエイティブ作業に向いています。

NVIDIAとAMDのGPUはどう違いますか?

NVIDIAはAI・機械学習や大規模システムでの実績が豊富です。AMDはコストパフォーマンスに優れ、ゲームやクリエイティブ用途で多く使われています。用途に応じた選択が重要です。

GPUは後から追加・交換できますか?

デスクトップPCであれば、電源容量やケースサイズが対応していれば追加・交換が可能です。ノートPCでは基本的に交換できないため、購入時のGPU選びが重要です。

まとめ

GPUの性能はメーカーやモデルごとに異なるので、用途に合った製品を選定することが大切です。実績のあるメーカーを中心に理想に近いモデルを複数ピックアップし、価格・スペック・他デバイスとの互換性などを比較しながら選定していきましょう。

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トゥモロー・ネットはNVIDIAのパートナーとして各種GPU製品を取り扱っています。

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この記事を書いた人

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