NVIDIAエンタープライズ向けGPUの種類とスペックを徹底比較【トゥモロー・ネット テックブログ】

NVIDIAはコンピューターグラフィックスや人工知能(AI)関連のテクノロジーに強い企業であり、特にGPU(グラフィックス処理ユニット)分野におけるリーディングカンパニーとして注目を集めています。
しかし、NVIDIAには複数のエンタープライズ向けGPUがあるため、それぞれのスペックの違いについて把握したい方もいるのではないでしょうか。
本記事では、NVIDIAエンタープライズ向けGPUの種類とスペックについて詳しく解説します。一度に複数の種類を比較したいときにお役立てください。
NVIDIA GPUとエンタープライズ向けの位置付け
NVIDIA GPUは、もともとPCゲームなどのグラフィックス処理を高速化するために開発されました。しかし、その高い並列処理能力が科学技術計算やAIのディープラーニング(深層学習)にも非常に有効であることから、現在ではデータセンターやワークステーションで利用される「エンタープライズ向けGPU」が市場を大きく牽引しています。
エンタープライズ向けGPUは、大規模な計算処理をこなすための膨大なVRAM(ビデオメモリ)、そしてAIやシミュレーションに特化した「Tensorコア」などを搭載しているのが特徴です。
NVIDIA エンタープライズ向けGPUの種類
早速、ここではNVIDIA エンタープライズ向けGPUの種類を解説します。それぞれのスペックや特徴にも触れるのでチェックしてみましょう。
NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell
NVIDIAの次世代アーキテクチャ「Blackwell」を搭載した、プロフェッショナル向けワークステーションGPUの新たなフラッグシップモデルです。96GBという驚異的なGDDR7メモリを備え、これまで不可能だった規模のAI開発や3Dモデリング、科学技術計算をデスクトップ環境で実現します。エージェントAIやフィジカルAIといった最先端分野での活用が期待されています。
【主な用途 】
エージェントAI開発、大規模3Dモデリング、科学技術計算、高解像度レンダリング
【適用業界 】
IT、製造、研究機関、メディア・エンターテイメント
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NVIDIA B200 Tensor Core GPU
NVIDIAの最新アーキテクチャ「Blackwell」を搭載した、まさにケタ違いの性能を持つ新世代GPUです。大規模言語モデル(LLM)のトレーニングや推論、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)において、前世代のH100を圧倒するパワーを発揮し、AI開発の常識を覆します。
【主な用途 】
超大規模AIモデル開発、生成AI、HPC、データ分析
【適用業界 】
IT、金融、医療、製造、研究機関
NVIDIA H200 Tensor Core GPU

NVIDIA H200 Tensor Core GPUは、HBM3eを搭載した初のGPUとして有名です。
HPC ワークロードに向けた科学コンピューティングを推進する、大容量かつ高速なメモリも搭載されているのがポイントです。毎秒4.8テラバイト(TB/s)で141ギガバイト(GB)のHBM3eメモリを提供するなど、生成 AI と大規模言語モデル (LLM) の高速化を実現します。
また、NVIDIA H100 Tensor コア GPUの約2倍となる容量を持ち合わせているので、上位互換製品として使ってもよいでしょう。より高速なデータ転送を実現することで、ボトルネックとなる複雑な処理を削減できるのも、NVIDIA H200 Tensor Core GPUならではの魅力です。
【主な用途 】
生成AI、LLMのトレーニング・推論、HPC
【適用業界 】
IT、通信、メディア、研究機関
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NVIDIA H100 Tensor Core GPU

NVIDIA H100 Tensor Core GPUには「NVIDIA NVLink Switch System」が搭載されており、最大256個のH100を接続できるのがポイントです。エクサスケールのワークロードを高速化でき、兆単位の言語モデルを実装できます。大規模な言語モデルが前世代と比較して30倍も高速化されているので、イノベーティブで便利な対話型AIを実現します。
また、混合エキスパート(MoE)モデルのトレーニングを前世代比最大9倍高速化する「Transformer Engine」を搭載している点にも注目です。GPUとGPUとを毎秒900ギガバイトで相互接続する第4世代「NVLink」もあり、小規模なエンタープライズから大規模な統合 GPU クラスターまで可能です。
【主な用途 】
AI開発、ディープラーニング、データセンター、HPC
【適用業界 】
IT、自動車、金融、ヘルスケア
以下の記事では、NVIDIA H100について詳しく説明しております。
NVIDIA H100とは?その性能やおすすめの利用シーンを解説
NVIDIA H100 Tensor Core GPUの製品詳細はこちら
NVIDIA A100 Tensor Core GPU
NVIDIA A100 Tensor Core GPUは、2021年にリリースされたGPUであり、前世代(NVIDIA V100)のモデルと比較して最大20倍のパフォーマンス向上に成功しています。NVLinkで2基のNVIDIA A100 GPUを接続することも可能で、160GBという広大なGPUメモリ空間の実現に貢献しています。
単精度・倍精度演算性能の両方を兼ね備えているなどメリットが多く、ディープラーニングやデータサイエンスとの相性も抜群です。大規模な計算を頻繁に実行したいときに使いやすく、マルチGPUシステムの構成を高速化します。
【主な用途 】
AIトレーニング、データ分析、科学技術計算
【適用業界 】
あらゆる業界のAI導入、研究開発
NVIDIA L40S

NVIDIA L40Sは、NVIDIA A100 Tensor Core GPUの推論性能を、最大1.5倍上回るモデルとして2023年8月に発売されました。美しいグラフィックス作成ができるよう最大2倍のリアルタイムレイトレーシング性能も実現しており、パフォーマンスだけでなく効率も向上させます。
また、単精度浮動小数点 (FP32)スループットの高速化と電力効率の向上に役立つCUDAコアを搭載しており、ワークフローでのパフォーマンスが一気に向上しているのもポイントです。3Dモデル開発などに用いやすく、違和感なく動くアニメーションを作成できます。
【主な用途 】
3Dグラフィックス、レンダリング、AI推論、VDI(仮想デスクトップ)
【適用業界 】
メディア・エンターテイメント、製造(CAD/CAE)、建築
NVIDIA A40 Tensor Core GPU
NVIDIA A40 Tensor Core GPUは、単精度浮動小数点(FP32)演算の倍速処理を可能にする「Ampereアーキテクチャ」を搭載したGPUです。複雑な3Dコンピューター支援設計(CAD)や、コンピューター支援エンジニアリング(CAE)との相性が良く、大規模シミュレーションも可能にします。
CPUメモリからのデータ転送速度を向上させる「PCIE Express Gen 4」も採用されているので、より高速なPCIeパフォーマンスの実現もできるようになりました。ファームウェアの改ざん・破損を防ぐセキュリティも搭載し、安心・安全に利用できます。
【主な用途 】
データセンターでのビジュアライゼーション、レンダリング、VDI
【適用業界 】
製造、建築、エネルギー
NVIDIA A800 40GB Active

NVIDIA A800 40GB Activeは倍精度演算を備えているGPUで、Active(ファン内蔵)のためデスクトップワークステーションで利用できるのがポイントです。
A800 40GB GPUを最大7つの独立したインスタンスに分割し、複数ユーザーがGPUアクセラレーションにアクセスできる「マルチインスタンスGPU(MIG)」機能にも対応しています。「NVIDIA AI Enterprise」のサブスクリプションが最大3年分付属されているなど、メリットも多くなっています。
AI開発、データサイエンス、小規模なディープラーニング
【適用業界 】
スタートアップ、大学、企業のR&D部門
NVIDIA エンタープライズ向けGPUスペックの比較
下記では、前述したNVIDIA エンタープライズ向けGPUについて、それぞれのスペックを比較表でお伝えします。
分類 | GPUモデル | アーキテクチャ | FP32性能 | メモリ容量 | TDP (消費電力) | 発売年 |
AI / HPC | NVIDIA B200 | Blackwell | – | 192GB | 最大 1200W | 2024年 |
NVIDIA H200 | Hopper | 134 TFLOPS | 141GB | 最大 1000W | 2023年 | |
NVIDIA H100 | Hopper | 120 TFLOPS | 80GB | 700W (SXM) | 2022年 | |
NVIDIA A100 | Ampere | 78 TFLOPS | 80GB | 400W (SXM) | 2020年 | |
プロ向け | RTX PRO 6000 | Blackwell | 125 TFLOPS | 96GB | 600W | 2025年 |
L40S | Ada Lovelace | 91.6 TFLOPS | 48GB | 350W | 2023年 | |
NVIDIA A40 | Ampere | 37.4 TFLOPS | 48GB | 300W | 2020年 | |
ワークステーション | NVIDIA A800 | Ampere | 78 TFLOPS | 40GB | 250W | 2023年 |
まとめ
NVIDIAエンタープライズ向けGPUは、いずれも高性能なGPUとして知られていますが、利用の際はスペックや特徴を比較しながら用途に合ったものを選定することが重要です。
グラフィックスボードの動作環境、GPUの数、料金などもチェックしながら、満足度の高い製品を選びましょう。
トゥモロー・ネットでご支援できること
トゥモロー・ネットでは、NVIDIAのパートナーとしてGPU製品の販売や導入サポートを実施しています。きめ細やかな提案、構築、導入を提供いたしますので、GPUをお探しの方はぜひお問合せください。さらにトゥモロー・ネットでは、NVIDIA AI Enterpriseの導入サービスをご提供しております。認定サーバーの確認も販売の際にご一緒に確認しておりますので是非お気軽にお問合せください。
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この記事を書いた人

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