オンプレミスのコンテナ基盤とは?主要ソリューションを比較【トゥモロー・ネット テックブログ】

目次
はじめに
アプリケーション開発やデータ活用、AIシステムの構築などにおいて、コンテナ技術は多くの企業で利用されている代表的なインフラ技術の一つです。コンテナはアプリケーションとその実行環境をまとめてパッケージ化できるため、開発から本番環境まで同じ環境を再現しやすく、システムの柔軟な運用を可能にします。
こうしたコンテナを複数のサーバーで運用したり、大規模な環境で管理したりする場合には、コンテナの配置やスケーリング、障害対応などを自動化する仕組みが必要になります。その中心的な役割を担うのがKubernetesです。
Kubernetesは現在、多くのコンテナ基盤の中核として利用されており、企業向けにはさまざまな形で提供されています。それぞれ提供形態や特徴が異なるため、企業のIT環境や運用体制によって適した選択肢も変わります。
本記事では、代表的なコンテナ基盤を比較しながら、それぞれの特徴と選び方を整理します。
企業向けコンテナ基盤の主な選択肢
企業で利用されるコンテナ基盤にはいくつかの代表的なソリューションがあります。その中でもよく比較されるのが、「Red Hat OpenShift」、「SUSE Rancher」、「VMware Tanzu」です。
Red Hat OpenShift
Kubernetesをベースにしたエンタープライズ向けコンテナプラットフォームで、アプリケーションの開発からデプロイ、運用までを支援する機能が統合されており、企業向けのセキュリティ機能や運用管理機能も充実しています。
DevOpsやCI/CDとの連携など、開発と運用を一体化した環境を構築しやすい点も特徴です。その一方で、機能が豊富であるため、導入や運用には一定の設計や知識が求められる場合があります。
SUSE Rancher
複数のKubernetesクラスタを統合的に管理するためのプラットフォームで、オンプレミスやクラウドなど、さまざまな環境に構築されたKubernetesクラスタを一つの管理画面から運用できる点が特徴です。
柔軟な環境構築が可能であるため、既存のKubernetes環境を活用しながら管理を効率化したい場合に選択されることがあります。
VMware Tanzu
VMwareの仮想化基盤と連携したコンテナ基盤です。vSphereなどのVMware環境と統合して利用できるため、すでにVMwareの仮想化基盤を運用している企業では検討、導入しやすい場合があります。
仮想マシンとコンテナを同じ基盤で管理できるため、既存のインフラ資産を活用しながらコンテナ環境を構築できる点が特徴です。
このように、類似するコンテナ基盤であっても提供形態や得意分野はそれぞれ異なります。
コンテナ基盤を選ぶ際のポイント
コンテナ基盤を選定する際には、機能や価格だけでなく、運用体制やインフラ環境に合った基盤を選ぶことが重要です。ここでは、検討時に確認しておきたい主なポイントを紹介します。
- 導入のしやすさ
コンテナ基盤は柔軟性が高い一方で、構築や設定が複雑になりやすい側面があります。インフラ設計やKubernetesクラスタの構築にどれだけの作業が必要になるのかは、導入までの期間や運用負荷に大きく影響します。
そのため、自社で構築する場合の手間や、導入時に必要なスキルなどを考慮して検討することが重要です。 - コスト
コンテナ基盤のコストは、ライセンス費用だけでなく、サポート費用や運用管理にかかる人件費なども含めて評価する必要があります。
導入時の費用だけでなく、長期的な運用コストも踏まえた検討が求められます。 - 拡張性
システムの利用規模が拡大した場合に、クラスタの追加やリソース拡張がどの程度容易に行えるかも重要なポイントです。将来的なシステム拡張や新しいアプリケーションの追加に対応できる基盤かどうかを確認する必要があります。 - 運用管理のしやすさ
管理画面の使いやすさや運用ツールの充実度によって、運用担当者の負担は大きく変わります。特に長期的な運用を考える場合には、管理の効率性も考慮することが重要です。
主要コンテナ基盤の比較
こうした観点から、代表的なコンテナ基盤を整理すると次のようになります。
| 項目 | OpenShift | Rancher | VMware Tanzu |
| 導入のしやすさ | △ | 〇 | 〇 |
| コスト | △ | ◎ | △ |
| 拡張性 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 運用管理 | ◎ | 〇 | ◎ |
それぞれのコンテナ基盤は、導入方法や運用の考え方に違いがあります。機能の充実度や管理方法、コスト構造なども異なるため、どの基盤が適しているかは企業のIT環境や運用体制によって変わります。そのため、自社の要件や将来的なシステム計画を踏まえて比較検討することが重要です。
また、こうしたコンテナ基盤はソフトウェアとして提供されるものが多く、実際の導入ではインフラ設計やKubernetesクラスタ構築が必要になるケースもあります。そのため昨今、あらかじめ構成された形で導入できるコンテナ基盤に注目が集まっています。
オンプレミスで導入できるアプライアンス型コンテナ基盤
コンテナ基盤をオンプレミス環境で導入する場合、サーバー構成やネットワーク設計、Kubernetesクラスタ構築などの作業が必要になることがあります。これらの作業には専門知識が求められるため、導入までの期間が長くなるケースもあります。
こうした課題に対するアプローチの一つが、アプライアンス型のコンテナ基盤です。アプライアンス型の製品では、ハードウェアとソフトウェアがあらかじめ構成された状態で提供されるため、環境によっては導入作業を簡略化できる可能性があります。
そのような製品の一つとして、「Qeek Container Orchestrator」があります。
Kubernetesをベースとしたコンテナ基盤で、オンプレミス環境でのコンテナ運用を想定して設計されています。構成・検証済みの形で提供されるため、設計や構築にかかる手間を大幅に削減し、安定した品質のコンテナ基盤を短期間で導入可能できます。
Qeek Container Orchestratorの特徴
Kubernetesをベースとしたコンテナ基盤として、AI開発やデータ処理などの計算ワークロードにも対応できる設計になっている点です。コンテナ環境だけでなく、AI開発やデータ処理などの用途も想定した基盤として提供されています。
さらに、用途や規模に応じてノードを追加することで拡張できる構成となっており、小規模環境から段階的にシステム規模を拡張していくことも可能です。必要に応じてサーバーを追加することで処理能力を拡張できるため、将来的なワークロードの増加にも対応しやすい設計になっています。
このように、Qeek Container Orchestratorはコンテナ基盤としての機能に加えて、AI開発やデータ処理などを含めたインフラ全体を見据えた設計が特徴の一つといえます。
ただ、コンテナ基盤にはそれぞれ得意とする用途があるため、既存のIT環境や運用方針に合わせて最適なソリューションを選定することが重要です。
まとめ
コンテナ技術の活用が広がる中で、企業向けコンテナ基盤にもさまざまな選択肢が登場しています。OpenShiftやRancher、VMware Tanzuといった主要ソリューションはそれぞれ特徴があり、導入方法や運用の考え方も異なります。
オンプレミス環境でコンテナ基盤を導入する際には、インフラ構成や運用体制に合わせてさまざまな提供形態を比較することが重要です。
コンテナ基盤の選定では、機能や価格だけでなく、導入のしやすさや運用体制、将来的な拡張性などを含め、既存のIT環境やシステム要件に合った製品を選定することが、安定した運用につながります。
自社のIT環境に適したコンテナ基盤を選定することで、アプリケーション開発やシステム運用をより効率的に進めることができます。Qeek Container Orchestratorの詳細について知りたい方は、製品ページをご覧いただくか、お気軽にトゥモロー・ネットまでお問い合わせください。
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この記事を書いた人

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