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GPUサーバーのオンプレミス vs クラウド徹底比較【トゥモロー・ネット テックブログ】

AI開発やビッグデータ解析の加速に伴い、計算資源の確保は企業の重要課題です。その際、最大の分岐点となるのが「オンプレミス」か「クラウド」か。初期コストや運用柔軟性、セキュリティなど、重視するポイントによって正解は異なります。

本記事では、両者のメリット・デメリットを徹底比較し、貴社に最適な選択基準を解説します。なお、GPUサーバーの基礎知識については、下記記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
GPUサーバーとは?失敗しない選び方、導入メリットから最新機種まで

GPUサーバーにおけるオンプレミスとクラウドの決定的な違い

GPUサーバー導入において、オンプレミス(自社保有)とクラウド(サービス利用)は異なる特性を持ちます。意思決定の核となる「コスト」「パフォーマンス」「セキュリティ」の3つの観点から、それぞれの違いを深掘りします。

コスト構造(初期投資 vs 運用費)

コスト比較において重要なのは、利用期間と稼働率です。長期間かつ高稼働率で利用する場合、オンプレミスの方がトータルコストを安く抑えられる傾向にあります。

クラウドは初期費用が不要な反面、高性能GPUインスタンスの利用料は高額であり、長期利用では従量課金が積み重なって割高になりがちです。

一方、オンプレミスは初期投資こそ大きいものの、資産として償却でき、月々の利用料が発生しません。3年以上継続してGPUを利用するケースなどでは、オンプレミスの方がTCO(総保有コスト)が安価になるケースが大半であるため、プロジェクト期間を見据えた試算が重要です。

パフォーマンスとカスタマイズ性

AIモデルの精度や計算速度を追求し、最大限の性能と安定性を求めるなら、オンプレミスが圧倒的に有利です。

クラウドは仮想化技術を用いているため、他のユーザーの影響を受ける「ノイジーネイバー」問題や、インスタンス仕様による構成の制約が発生することがあります。対してオンプレミスであれば、最新のハイエンドGPUや高速なインターコネクト(NVLink等)を自由に組み合わせ、物理サーバーのリソースを100%自社で独占できます。

ボトルネックを排除した理想的な計算環境を構築できるため、性能要件がシビアなプロジェクトほど物理環境を制御できるオンプレミスを選ぶべきです。

セキュリティとデータガバナンス

企業の資産であるデータをどこに置くかは、コンプライアンスやリスク管理に直結します。機密性の高いデータ保護には、オンプレミスが向いています。

データを外部クラウドへ転送せず、自社のファイアウォール内で完結して管理できるため、漏洩リスクや第三者アクセスの懸念を小さくできるためです。
特に金融、医療、製造業の設計データなど、極めて機密性の高い情報を扱う場合、クラウド利用時のデータ転送自体がコンプライアンス違反になる恐れがあります。

データの物理的な所在を明確にし、厳格なデータガバナンスを実現するためには、オンプレミスの優位性が高まります。

これまでの3つの観点をまとめると、以下の通りです。自社のプロジェクト期間や予算、要求スペックに照らし合わせて最適な選択を行ってください。

比較項目オンプレミス (自社保有)クラウド (サービス利用)
初期投資高い(ハードウェア購入費)不要(初期費用ゼロ)
ランニングコスト低い(電気代・保守費のみ)高い(従量課金のため積み上がる)
長期的なTCO優位(3年以上の利用で安価に)割高(長期利用ほどコスト増)
パフォーマンス最高(リソースを100%独占)標準(仮想化による影響あり)
拡張性低い(追加購入・設置が必要)高い(即時に増減が可能)
セキュリティ強固(自社網内で完結)設定次第(外部保管のリスクあり)

【目的別】オンプレミスとクラウドのどちらを選ぶべきか?

どちらが優れているかではなく、「現在のフェーズにどちらが適しているか」で選ぶことが成功の秘訣です。ここでは、プロジェクトの段階や目的に応じた最適な選択肢を解説します。

PoC(概念実証)や短期プロジェクトなら「クラウド」

初期検証や短期プロジェクトには、クラウドが適しています。理由は、ハードウェアの調達リードタイムがなく、アカウント作成のみですぐに環境を利用開始できるためです。

例えば、「まずはAIで何ができるか試したい」というスモールスタート時や、学習ジョブが一時的でリソースの増減が激しいフェーズでは、必要な時だけ借りて不要になれば停止できるクラウドの柔軟性がコストメリットを生みます。

変化の激しい検証段階においては、固定資産を持たずに始められるクラウドの身軽さが大きな武器です。

本格的なAI開発・長期運用なら「オンプレミス」

開発が本格化し、長期運用が見込まれるならオンプレミスへの移行を推奨します。大規模な学習モデルの構築や、24時間稼働し続ける推論サーバーの場合、専用環境である方がコスト対効果と処理効率が劇的に向上するためです。

数ヶ月〜数年単位でGPUをフル稼働させる場合、クラウドの従量課金は莫大な金額になります。また、機密データを扱う本番環境としても、セキュリティが担保された専用インフラが不可欠です。

事業の核となるAI基盤として、安定性とコスト効率を両立させるにはオンプレミスが適しています。

両者を活用する「ハイブリッド」の選択肢

両者のメリットを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」運用も有効な選択肢です。ベースとなる負荷はオンプレミスで処理し、突発的な需要のみクラウドで補うことで、コストと性能のバランスを最適化できます。

具体的には、平常時は自社の固定資産であるオンプレミスサーバーで学習を行い、締め切り前などで計算リソースが不足した際のみ、クラウドへジョブを「バースト(拡張)」させる運用が可能です。

柔軟かつ効率的なインフラ戦略として、オンプレミスを軸にしつつクラウドをサブで活用する構成への注目が高まっています。

高性能GPUサーバー導入時に直面する「インフラの壁」

「高性能なGPUサーバーを買えば解決する」わけではありません。最新のAIインフラ導入には、単なるサーバーのスペック比較では見落としがちな、物理的・技術的な課題が存在します。ここでは、それぞれの課題を解説します。

単なるスペック比較では見落とす「冷却と電源」

最新GPUサーバー導入における障壁はファシリティ(設備)です。NVIDIA B200やH200などの最新GPUは、発熱量と消費電力が桁違いに増大しており、既存の設備では対応しきれないケースが増えています。

一般的なオフィスビルのサーバールームでは冷却不足による熱暴走や、電源容量不足に陥りやすいのが現状です。最新GPUサーバーの冷却と電源問題については、下記記事で詳細に解説しています。
GPU導入の落とし穴|データセンターにおける冷却・電力・コスト課題と解決策

ボトルネックになりがちな「ストレージとネットワーク」

GPUの計算速度に見合った、高速な「足回り」の設計が重要です。いくらGPUが高速でも、データの読み出し(ストレージ)やノード間通信(ネットワーク)が遅ければ、GPUの待ち時間が発生し性能が出ないためです。

AI学習では膨大なデータを高速に転送する必要があります。GPUサーバーの性能を左右するネットワーク設計については、下記記事で詳しく解説しています。
NVIDIA® NVLink™ テクノロジーとは?NVSwitchとの違いも解説

運用負荷と保守の専門性

オンプレミス運用の課題として、維持管理に専門知識が必要な点が挙げられます。ハードウェア障害時の対応、GPUドライバーやCUDAのバージョン管理など、AIインフラ特有の運用業務が発生し、情シス部門の負担が増大するためです。

専門人材の不足は深刻ですが、外部サービスを活用することで解決可能です。AIインフラの運用保守を支援するサービスについては、下記記事でご紹介しています。
オンプレミスAIのメリットを最大化する「AIアプライアンス」という賢い選択

まとめ

短期的な利用やPoCには「クラウド」、長期的かつ高負荷な本格運用には「オンプレミス」が適しています。しかし、最新のGPUサーバー導入には、冷却・電源・ネットワークといったインフラ全体の高度な設計が不可欠であり、一筋縄ではいきません。

複雑化するAIインフラの設計・構築は、実績豊富な株式会社トゥモロー・ネットへご相談ください。当社はNVIDIA Elite PartnerおよびSupermicroの正規一次代理店として、用途に応じた高性能GPUサーバー、堅牢なストレージ、低遅延ネットワークを組み合わせた最適なAI基盤を一貫して提供しています。
詳細なご相談やお見積もりについては、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

株式会社トゥモロー・ネット

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