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SupermicroサーバーにおけるCPU取り付け手順を徹底解説【トゥモロー・ネット 技術ブログ】

CPUの取り付け作業は、PC組み立て工程の中でも特に慎重さが求められる重要なステップです。CPUはコンピューター の“頭脳”ともいえるパーツであり、正しく装着されていないと性能を十分に発揮できないだけでなく、最悪の場合はパーツの破損につながる可能性があります。

本記事では、Supermicroサーバーを例にCPUの取り付け手順と注意点、ポイントをご紹介します。

Supermicro サーバーの CPU 取り付けの注意点 

以下のように様々な注意点がありますが、サーバー用マザーボードは、一般的なデスクトップ PC と比べて精密性が高く、CPU の取り付け手順にもより慎重な手順 が求められます。

特に Supermicro サーバーでは、対応している CPU ソケット形状や TDP(熱設計電力)の制約が厳密に定められており、誤った CPU を装着すると物理的破損や起動不可につながる可能性があります。

  • サーバーはデスクトップと異なり精密作業が多い 
  • CPU は対応ソケット・TDP が厳密に決まっている
  • Supermicro はマザーボードごとに取り付け方法やブラケット形状が若干異なる 
  • 作業前にマニュアル確認が必須 
  • 静電気対策・電源完全遮断の重要性 
  • サーバーはデスクトップと異なり精密作業が多い 

また、同じ Supermicro 製品でも、マザーボードのモデルごとに CPU 保護カバーの構造や固定ブラケットの形状が微妙に異なるため、メーカー提供のマニュアルを作業前に必ず確認することが重要です。

マニュアルには、ソケットタイプ特有の開閉方法や、冷却ユニットの取り付け方向など、誤ると破損につながる注意点が詳しく記載されています。

さらに、サーバーのハードウェア作業では静電気による故障リスクが高いため、リストストラップの使用やシャーシ接地などの静電気対策は必須です。
また、電源コードや冗長電源ユニットを完全に取り外し、システム内の電気が放電された状態で作業することで、安全かつ確実に CPU を装着できます。

今回装着するCPU関連機器の解説

CPU:Intel ® Xeon® Silver 4514Y プロセッサー

  • 本作業で使用するCPUは「Intel® Xeon® Silver 4514Y」です。
  • Xeonシリーズはサーバー向けに設計されており、高いマルチコア性能と安定性が求められるワークロードに最適です。
  • 対応ソケット(Socket SP)やTDP(Thermal Design Power)など、マザーボードとの適合性を事前に確認することが重要です。

CPUキャリア(CPUソケット用カバー/保持具)

  • CPUをマザーボード上のソケットに安全に固定するための器具です。
  • Supermicroサーバーでは、ソケットごとに形状やロック機構が異なる場合があり、誤った取り扱いはピンの曲がりや接触不良の原因になります。
  • 取り外し・装着時は力を均等にかけ、ピンや接点を傷つけないよう注意が必要です。

CPUクーラー(ヒートシンク)

  • サーバーCPUは高負荷で長時間稼働するため、必ず専用のヒートシンクとで放熱する必要があります。
  • Supermicro製ヒートシンクの多くはプリグリス(あらかじめ塗布された熱伝導グリス)付きですが、古いCPUを再利用する場合は清掃して新しいグリスを塗布することが推奨されます。
  • 取り付けにはトルク管理が重要で、推奨値以上の力で固定するとCPUやマザーボードにダメージを与える可能性があります。

CPU の取り付け手順

CPU をソケットに合わせる

  • CPU側の三角マーク(Pin 1)とマザーボード側の三角マークをそろえる。

CPUキャリアの取り付け

  • 下図のようにCPUとCPUキャリアを取り付ける 

CPUを取り付けたCPUキャリアをCPUファンに取り付け

  • 下図のようにCPUキャリアとヒートシンクを取り付ける

マザーボードにCPUを取り付け

  • マザーボードにCPUをそっと載せる。
    ※CPUは自重だけで自然に収まります。その際に 、赤枠のレバーを上にしておきます。
  • 正しくセットできたことを確認したら、ソケットのカバーを閉じ、レバーを元の位置まで戻して 、ヒートシンクの4本の星形ねじを徐々に締めて均等に圧力がかかるようにします。

以上の工程でSupermicro サーバーへの、CPU・CPUキャリア・ヒートシンクの取り付け作業が完了です。

まとめ

今回のブログではSupermicro サーバーを例に IntelのCPU取り付けをメインにご紹介しました。
一方で弊社では様々なメーカーを扱っており、サーバメーカーとCPUメーカーにより作業方法が異なり、注意が必要となります。

また、Intel Xeon と AMD EPYC、2種類CPUの違いは下記ブログにて紹介していますので、興味がありましたら参考にしていただければと思います。
「CPUについて」Intel Xeon と AMD EPYCの違いを解説

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この記事を書いた人

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