繰り返される“再起動”のジレンマ:企業ITが抱える見えない負担【トゥモロー・ネット テックブログ】

目次
再起動は、いまもなおIT現場の悩みの種
Windows PCが企業に導入されて以来、組織は「再起動」とのつき合いに苦心してきました。家庭や個人使用での再起動は些細な煩わしさで済みますが、企業ITにとっては避けられない負荷要因であり、システム管理者の頭痛の種です。
再起動は通常、夜間や業務時間外に行われますが、ITチームはその作業のために深夜まで拘束されることもしばしば。特に病院など24時間体制の現場では、そもそも“安全に再起動できる時間帯”が存在しないこともあります。
ローリー・モナガンによる「Office of the Technologist」講演では、アプリケーション・コンテナが再起動の課題をどのように解決するかが紹介されています。
仮想化がもたらす、生産性と安定性の両立
アプリケーション仮想化を導入することで、従来のインストール作業や、それに伴う再起動を不要にできます。
たとえば:
- 単一のゴールデンイメージで全社PCを統一
- 月1回のWindows Update以外での再起動を回避
- アップデートのロールバックが即座に可能
- 数秒でアプリを配信し、ユーザーが再ログインするだけで反映
これにより、業務開始直後の時間帯でも、ユーザーはシームレスに更新されたアプリケーションを利用できます。
再起動が不要なだけでなく、万が一の不具合にも即応可能なため、IT部門と現場双方のストレスを大幅に軽減します。
「再起動が命に関わる」──医療現場の実例
ある医療機関のCIOは語ります。「予期せぬPCの再起動が、命に関わる事態を招くことがある」。
実際に、ある日早朝、病院全体にアプリケーションの更新が配信され、その直後に強制再起動が発生。ユーザー受け入れテストで見落とされた不具合が露見し、午前7時にはサポートチームに障害報告が殺到しました。
特に問題だったのは、ちょうど臨床スタッフの回診時間と重なったこと。予告通知は配信済みでしたが、多忙な現場では確認されず、回診業務が中断。現場は混乱に陥りました。
もし仮想化を導入していれば、再起動せずにアップデートをロールバックでき、ダウンタイムを最小限に抑えられた可能性があります。
金融業界でも:数千万ドルの損失を防げたはずの事例
大手金融機関でも、再起動による深刻な業務影響が発生しました。
本来、午前1時に予定されていたアプリケーション更新が、午後1時に変更され、そのまま承認されてしまいました。リスクを見過ごした結果、業務時間中に2度の再起動が発生し、取引フロア全体が30分間停止。この間に発生した損失は、数百万ドル規模にのぼったといいます。
仮想化があれば、アプリケーションはインストール不要で即座に展開可能、組織にとって数百万ドルの損失を回避することができたでしょう。
これらの目標は、既存の App-V 投資を活かしながらも実現可能です。Cloudpager プラットフォームは、App-V パッケージを自動的に Cloudpaging アプリケーション・コンテナ形式に変換し、互換性・性能・可視性を大幅に向上させます。
従来 App-V ではパッケージ化できなかったアプリも Cloudpaging で実行可能です。Waterman 社をはじめとするお客様は、98%以上のアプリケーションパッケージ化に成功し、DevOps機能を通じて最新の Windows デスクトップ管理を実現しています。
Cloudpaging は App-V と同様の分離機能を提供しつつ、統合や分離の範囲をより細かく制御できます。これにより、他アプリケーション、プラグイン、ドライバ、COM+サービスとの互換性と相互運用性を大幅に高められます。さらに、App-V の接続グループを使わずとも依存関係を適切に管理でき、仮想レジストリの複雑な設定も不要です。Office アドインなどのプラグイン仮想化も、シンプルな手順で可能になります。
製品についてより詳しく知りたい方は、下記より是非お問合せください。
https://www.tomorrow-net.co.jp/contact/
本ブログは下記の英語ブログの抄訳です。
https://www.numecent.com/2024/10/31/the-curse-of-the-desktop-reboot/
関連記事
Windows デスクトップ向けクラウドネイティブ・アプリケーションコンテナ管理プラットフォーム Numecent Cloudpager
Windows 11のマイグレーションを成功に導くためには?
アプリケーションのパッチを永久に排除するには
Citrix環境向けのApp-V基盤から移行する時は今
App-V を超える選択肢:Cloudpaging で進めるアプリ管理の近代化
この記事を書いた人

株式会社トゥモロー・ネット
トゥモロー・ネットは「ITをもとに楽しい未来へつなごう」という経営理念のもと、感動や喜びのある、より良い社会へと導く企業を目指し、最先端のテクノロジーとサステナブルなインフラを提供しています。設立以来培ってきたハードウェア・ソフトウェア製造・販売、運用、保守などインフラに関わる豊富な実績と近年注力するAIサービスのコンサルティング、開発、運用、サポートにより、国内システムインテグレーション市場においてユニークなポジションを確立しています。
インフラからAIサービスまで包括的に提供することで、システム全体の柔軟性、ユーザビリティ、コストの最適化、パフォーマンス向上など、お客様の細かなニーズに沿った提案を行っています。