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App-V を超える選択肢:Cloudpaging で進めるアプリ管理の近代化【トゥモロー・ネット テックブログ】

先日、マイクロソフトは App-V Sequencer および App-V Client の廃止を撤回すると発表しました。関連記事では、App-V の積極的な開発は今後行われず、新機能の追加も予定されていないものの、必要に応じたセキュリティ修正は継続される可能性があると伝えられています。一方で、App-V Management Server、Publishing Server、Reporting Services のサポートは 2026 年 4 月に終了する予定です。

現時点で App-V 自体の明確なサポート終了日は設定されていませんが、いずれ終焉を迎え、他の製品への移行が避けられなくなるでしょう。Microsoft のジム・モイル氏も述べているように、お客様は早めに代替製品の導入を検討すべきです。

廃止撤回の報に一部の業界関係者からは喜びの声も上がっていますが、一体何に対して興奮しているのでしょうか。長年更新の止まった製品を使い続けることに、果たしてどれほどの価値があるのでしょうか。マイクロソフト自身が「現状維持」モードであると明言している技術に、執着する意味があるのでしょうか。

App-V を超えた視野を持つ

Numecent では多くの組織が App-V パッケージを保有していることを、お客様との対話を通じて把握しています。実際、過去 12 ヶ月で最も閲覧された App-V 関連のブログ記事の一つは、「App-V パッケージはあるが、それを扱える人材がいない組織」に向けたものでした。

多くのユーザーが「App-V から脱却すべき」とは理解しつつも、具体的な方法が分からず戸惑っているのが現状です。MSIX への移行を試みても、多くの App-V パッケージが MSIX 形式では動作しないという問題に直面するケースもあります。

今回のサポート終了延期は、移行に向けた準備時間を確保する絶好のチャンスです。しかし、この猶予を誤った安心感として受け取り、何もしないまま数年後に再び同じ課題に直面するようなことがあってはなりません。2025 年 10 月に Windows 10 のサポートが終了する今こそ、アプリケーション管理のモダナイゼーションを本格的に推進する好機なのです。

App-V の時代は終わりました。実際には、既に過去の技術として追い越されています。今必要なのは、レガシーアプリケーションの仮想化や分離、構成の競合を避けた並行配信、スクリプト実行の柔軟性、動的配信といった、App-V が担ってきたユースケースを包括的にカバーできる最新のソリューションです。

多くの組織が App-V による完全仮想化を目指しても、互換性はせいぜい 60〜80%に留まっていました。加えて、パッケージングを担当していた人材が離職したり、ベンダーが他の技術へ移行したりしたことで、App-V パッケージの管理に支障をきたしている例も少なくありません。

このような状況では、互換性と導入のしやすさが何よりも重要です。多大な修正を要するソリューションは、導入段階から機能しなくなるリスクを孕んでいます。

アプリケーション管理を再考する

まずは、使用しているアプリケーション管理ソリューションが、自社のIT戦略や業務の俊敏性にどのような影響を与えているかを見直してみましょう。App-V は 20 年近い歴史がありますが、すべての業務アプリケーションをカバーできたわけではありません。

コンテナ技術は、アプリケーションの互換性、パフォーマンス、セキュリティ、コスト効率を最大化する鍵です。真に現代的なアプリケーション管理には、物理/仮想 Windows デスクトップ、さらにはマルチクラウド環境をサポートする単一のソリューションが求められます。そして、それはベテランと新人のどちらのユーザーにも直感的に使えるものでなければなりません。

AVD や Windows 365 の導入スピードを上回る形で、アプリケーションの自動化と展開が可能であるべきです。展開に 30 分以上かかったり、更新のたびに何時間もの再パッケージやイメージ管理が必要になったりするのでは、もはや時代遅れです。

デスクトップイメージに依存しない世界へ

物理・仮想問わず、アプリケーションをデスクトップイメージにあらかじめ組み込むという手法は、今後見直されるべきです。アプリケーション・コンテナを用いれば、アプリケーションをユーザーに対して動的に展開できます。これにより、単一で軽量な「ゴールデンイメージ」の理想が現実となります。

イメージを開き、アプリケーションをインストールし、Sysprep を実行して再展開する――このような手間はもう不要です。更新に 30 分から 24 時間もかかるソリューション、更新の完了が不確かで結果も読めないようなプロセスに頼る時代は、終わらせなければなりません。

Numecent が提供する次世代ソリューション

これらの目標は、既存の App-V 投資を活かしながらも実現可能です。Cloudpager プラットフォームは、App-V パッケージを自動的に Cloudpaging アプリケーション・コンテナ形式に変換し、互換性・性能・可視性を大幅に向上させます。

従来 App-V ではパッケージ化できなかったアプリも Cloudpaging で実行可能です。Waterman 社をはじめとするお客様は、98%以上のアプリケーションパッケージ化に成功し、DevOps機能を通じて最新の Windows デスクトップ管理を実現しています。

Cloudpaging は App-V と同様の分離機能を提供しつつ、統合や分離の範囲をより細かく制御できます。これにより、他アプリケーション、プラグイン、ドライバ、COM+サービスとの互換性と相互運用性を大幅に高められます。さらに、App-V の接続グループを使わずとも依存関係を適切に管理でき、仮想レジストリの複雑な設定も不要です。Office アドインなどのプラグイン仮想化も、シンプルな手順で可能になります。

製品についてより詳しく知りたい方は、下記より是非お問合せください。
https://www.tomorrow-net.co.jp/contact/

本ブログは下記の英語ブログの抄訳です
https://www.numecent.com/2024/12/18/thinking-bigger-than-app-v/

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この記事を書いた人

株式会社トゥモロー・ネット

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