【現地レポート Part2】ASUSが提案するAIインフラの現在地と未来 — COMPUTEX 2025 2日目レポート
2025年5月20日、台北・南港展覧館で開幕した「COMPUTEX 2025」。
ASUS(ブース:M0820)では、「Ubiquitous AI. Incredible Possibilities.(遍在するAIと無限の可能性)」というテーマのもと、AIインフラの全方位的な進化を力強く打ち出していました。
本ブログでは、ASUSのサーバーおよびエンタープライズ向けソリューションに焦点を当て、同社がAI時代に向けてどのようなITインフラを提案しているのか、招待者限定のプライベートブースの内容も含めて詳しくレポートします。(Part1はこちらから、Part3はこちらから)

目次
次世代AI PODとGPUインフラの中核製品群
まず注目したいのは、ASUSが展示した「AI POD構成向けサーバー群」です。中でも以下の2モデルは、今後のAIクラスタ設計の中核となる可能性を秘めた製品です。
ESC NM1-E1
NVIDIA GB200 NVL72向けに設計されたラックスケールGPUサーバー。最新のNVLink Switch Systemを搭載し、超大規模なAIモデルの学習にも対応。
XA NB3I-E12
HGX B300をベースとしたHPC・AI用途向けサーバー。冷却効率と拡張性を高い次元で両立しています。
いずれのモデルも、NVIDIAとの強力なパートナーシップに基づいており、次世代AI基盤の早期商用化に向けた本気度が伝わってきます。

ASUSが描くAIデータセンターの構成思想
ASUSの展示は、単なる「スペック競争」にとどまらず、AIワークロード全体を見据えたインフラ設計という視点で構成されていました。 注目すべき要素は以下の通りです。
- 空冷/液冷の両方式に対応した熱設計(Thermal Design)
- 冗長化電源・ホットスワップに対応する可用性重視の構成
- エッジからクラウドまでカバーするスケーラビリティ
さらに、AIモデルのトレーニングに不可欠なI/O帯域を確保するため、PCIe Gen5や次世代CXL構成への対応も提示。ハードウェアだけでなく、データセンター全体の最適化に向けた思想の深さが際立ちました。
AIインフラは「総合力」で勝負する時代へ
ASUSは、信頼性の高いマザーボードメーカーという顔に加え、以下のようなフルスタックなインフラ提案が可能です。
- ラック単位でのソリューション設計(Rack Integration)
- OCP準拠のシャーシ/ケーブル設計
- 整流器、ラックPDUなどの周辺機器まで自社開発
これにより、冷却・電源モジュール、監視・管理ソフト(ASMBやASUS Control Center)を含めた統合提案が可能となり、他社との差別化が明確に図られています。
まとめ:ASUSは「AIを動かす現場」の課題に真正面から応えている
ROGブランドの華やかな展示の裏で、ASUSインフラ技術部門によるサーバーソリューションの展示は、きわめて堅実かつ先進的であり、技術者にとって多くの刺激と気づきを与える内容でした。
- NVIDIA GB200 NVL72対応サーバーの投入
- ラック統合型AI PODソリューション
- 電力効率と冷却性能の両立を追求した持続可能な設計
これらの取り組みはまさに、「AIを本番環境で運用する現場」が求める答えそのものです。

詳細な製品情報はASUS公式COMPUTEX特設ページをご参照ください:
https://www.asus.com/event/computex
次回はその他のベンダーの展示内容をまとめてレポートいたします。
トゥモロー・ネットについて
トゥモロー・ネットは、AIで新しい社会を創る「Visionary AI Orchestrator」として、AIに関するインフラ、プラットフォーム基盤、アプリケーション、サービス、ユーザーインターフェイスにおいて最適なAI環境の導入を支援するトータルAIソリューションカンパニーです。創業以来培ってきた豊富なインフラ導入実績を活かしてGPUサーバーを含むAI基盤の選定・運用から、自社開発のチャットボット/ボイスボット、生成AI連携、マルチAIエージェントといった最先端のAIソリューションを用いたITシステムの構築を一気通貫で提供します。社会インフラ、金融、流通、コールセンターや行政サービスなどあらゆる分野におけるAIニーズをサポートし、社会をよりよい未来へ導くことを目指しています。
https://www.tomorrow-net.co.jp/
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