2023.11.16

エンタープライズバックアップソリューションとは? 企業が実施すべき理由を解説【トゥモロー・ネット テックブログ】

企業のデータを守るためには、バックアップは必要不可欠な存在です。しかし、手動でのバックアップには限界があるので、データを安全に保つには、適切なエンタープライズバックアップソリューションを導入することが求められます。

そこで今回の記事では、バックアップが重要な理由を含め、エンタープライズバックアップソリューションの内容について、詳しく解説します。

自社データのバックアップ方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

なぜデータのバックアップが必要なのか

エンタープライズバックアップソリューションの説明に入る前に、まずはなぜ企業でデータのバックアップが必要なのか、その具体的な理由を確認していきましょう。

データの量・種類の増加

現代のビジネスシーンでは、扱うデータの量が急速に増加しています。特に、ペーパーレス化が進んだことで、それらを全てデジタルストレージに保管しているのが一般的です。バックアップを取っていない場合、それらが一度に失われるリスクが高くなります。

また、データは文書やエクセルなどにとどまらず、社内メールやSNSのログ、商品や顧客の管理情報など、種類が多岐にわたります。そのため、全てを守るには、従来の手動バックアップでは対応し切れないことが多く、適切なエンタープライズバックアップソリューションが必要となります。

ヒューマンエラーのリスク

手動でデータをバックアップしようとすると、どうしてもヒューマンエラーが発生しやすくなります。誤ってデータを削除したり、重要データを上書きしたりしてしまった場合、大きなトラブルや損失に繋がります。

適切なエンタープライズバックアップソリューションを利用すれば、人の手による介入を最小限にできるため、ヒューマンエラーリスクを最小化できます。また、手動でバックアップを行う手間もなくなるので、コア業務により多くのリソースを割けるようにもなるでしょう。

企業の社会的信用の保護

万一取引先の情報や、顧客の個人情報が消失した場合、企業の社会的信用が大きく損なわれます。特に、顧客からの信用を失うことは、企業にとって致命的な打撃となるでしょう。

企業の情報は、コンピュータウィルスやマルウェア、サイバー犯罪などの脅威に常にさらされています。また、先述したヒューマンエラーや、地震や火災などの災害によって、データが失われるリスクもあります。

エンタープライズバックアップソリューションを導入すると、万一の際の機密情報の消失・漏洩を防ぎ、企業の信用や評判を維持することに繋がります

エンタープライズバックアップソリューションとは?

エンタープライズバックアップソリューションとは、企業データのバックアップから、災害やサイバー攻撃からの保護までを行う、包括的なアプローチを意味します。

適切なエンタープライズバックアップソリューションを導入することで、企業はデータを安全に保護でき、データの復元や一元管理を容易に行えるようになります。

ここでは、エンタープライズバックアップソリューションの主要な要素について、詳しく確認していきましょう。

バックアップソフトウェア

エンタープライズバックアップソリューションの中心的な要素として、バックアップソフトウェアが挙げられます。

バックアップソフトウェアは、スケジュールに基づきデータを自動的にバックアップするため、手動での手間やリスクを軽減します。また、データの圧縮や暗号化、万一の際のデータ復元など、さまざまな機能を提供します。

バックアップソフトウェアの主なベンダーは、以下の通りです。

  • Veeam
  • Veritas NetBackup/BackupExec
  • Acronis Backup
  • IBM Spectrum Protect
  • ArcServe

バックアップ取得時のストレージ

バックアップを取得する際、ストレージの種類によってデータの保存や可用性、コストに大きな影響があります。そのため、エンタープライズバックアップソリューションを導入するうえで、どのようなストレージを選ぶかは非常に重要です。近年はバックアップ容量も非常に大きくなっており、日々増え続けるバックアップデータに対して容量を増設するための手法も考えながら構成する必要があります。

バックアップ取得時のストレージの選択肢は、主に以下の4種類です。それぞれに特徴が異なるので、ニーズに合ったものを選びましょう。

ストレージの種類特徴
NAS(Network-Attached Storage)ネットワークに接続された記録装置であり、社員間で共有されるファイルの保存・バックアップに適している。
オブジェクトストレージオブジェクトストレージはデータをファイル単位やブロック単位ではなく、オブジェクトという単位で扱います。オブジェクトにはストレージシステムのなかで固有のID(URI)が付与され、データとそれを扱うためのメタデータによって構成されています。 メタデータは通常のファイルシステムでも作成日や作成者などの情報を持っていましたが、オブジェクトではデータの種類、保存期間やコピー回数など、より多くの情報を付加できます。
また、ディレクトリのような階層構造はなく、ストレージプールというオブジェクトの入れ物のみが作成され、メタデータによって管理されます。オブジェクト同士はフラットな関係で、データの移動で階層構造が変わることはありません。また、オブジェクト数に制限はありません。
重複排除ストレージバックアップデータの冗長性が削減されるため、ストレージコストを極力抑えつつ、データを効率的に保存できる
テープデータを安価かつ長期的に保存でき、災害対策のための遠隔地での保管などに適している。
クラウドデータのバックアップをクラウドサーバー上に保存するため、初期投資が少なく、どの端末からでもスムーズにアクセスできる。

ディザスタリカバリなどの災害対策

エンタープライズバックアップソリューションでは、災害発生時に備えるため、ディザスタリカバリ(災害復旧)も重要な要素となります。

具体的には、データセンターやリモートサイトにデータを遠隔保存することで、災害発生時にデータを即時復元させるレプリケーションなどが含まれます。

バックアップ実行時の手順

ここでは、さまざまなエンタープライズバックアップソリューションで共通して使える、バックアップ実行時の具体的な手順をご紹介します。

自社データとの相性に合わせて各手順を踏めば、万が一トラブルが発生した際も、迅速にデータ復旧を行えます。

バックアップの形式を決める

バックアップの形式は、大きく「ファイルバックアップ」と「イメージバックアップ」の2つに分けられます。

ファイルバックアップは、名前の通りファイルをそのままコピーしてバックアップすることを意味します。ファイルのみのバックアップなので、バックアップを取得するまでの時間が早く、復旧に必要な時間も短くなります。

ただし、環境全体を復元はできないので、個々のファイル単位での復元を目的とする場合に向く方法です。

イメージバックアップは、データを保存しているHDDなどのディスクをまるごとバックアップすることを意味します。全体をまとめてバックアップするので、対象を選ぶ手間が省け、バックアップ後の再設定の手間などが省けます。

ただし、イメージバックアップは、ファイルバックアップに比べると処理時間が長くなります。また、システムなどを復旧する際は、同じOSが必要となる点に注意が必要です。

バックアップの種類を決める

画像引用:【今更聞けない】差分バックアップと増分バックアップの違いとメリット|The Back Store Blog(株式会社BackStore)

バックアップの種類は、大きく「フルバックアップ」「差分バックアップ」「増分バックアップ」に分けられます。

フルバックアップは、対象のデータ全てをまるごとバックアップします。常に完全な状態を復元できますが、その分、ストレージの容量を大きく圧迫します。そのため、初回バックアップ時や、週に一度のバックアップ時などに行うのが一般的です。

差分バックアップとは、直近のフルバックアップから変更・追加があった分をバックアップすることです。前回のフルバックアップ分と合わせることで、常にデータを完全に復元させられます。ただし、フルバックアップ後の回数が増えるにつれて、重複するデータが増えるので、増分バックアップと比べてデータ量が大きくなります。

増分バックアップは、直近のバックアップからの変更・追加分をバックアップします。差分バックアップと比べて、回数を重ねてもデータの重複が生まれないので、1回あたりのバックアップ容量を削減できます。ただし、復元作業時は、すべてのフルバックアップのデータと、全ての増分バックアップデータを繋ぎ合わせる必要があり、リストアに手間がかかります。

RPO、RTOを定める

画像引用:RPOとRTOとは?BCPにも欠かせないRPO RTOの意味や違いを解説|株式会社 レスキューナウ

バックアップを実行する際は、「どの時点までのデータを復旧させたいのか」、そして「いつまでにデータを復旧させなければならないのか」の2点をあらかじめ定める必要があります。

「どの時点までのデータを復旧させたいのか」を表すのが、RPO(Recovery Point Objective)という目標値です。24時間前の状態に戻せればよいのか、停止直前の状態に戻さなければならないのかなど、業種やニーズに応じて適切なものを設定しましょう。

「いつまでにデータを復旧させなければならないのか」を表すのが、RTO(Recovery Time Objective)です。データが復旧するまでのダウンタイムは、企業のオペレーションに直結する問題なので、なるべく短くすることが求められます。

まとめ

今回は、エンタープライズバックアップソリューションについて、詳しく確認してきました。

バックアップは、企業のデータを安全に保つために必須の作業です。手動でのバックアップだと、ヒューマンエラーやサイバー攻撃の被害に対して脆弱になりやすいので、適切なエンタープライズバックアップソリューションを導入することが求められます。

トゥモロー・ネットでは、バックアップ統合によるデータマネージメントの効率化を支援するソリューションとして、「Veeam Backup & Replication」をご提供しています。

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この記事の筆者

株式会社トゥモロー・ネット

クラウドソリューション本部

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