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NVIDIA RTX PROシリーズはGeForceと何が違う?プロが選ぶべき3つの理由【トゥモロー・ネット テックブログ】

NVIDIAの「RTX PRO」シリーズは、従来のGeForceとは異なり、プロフェッショナル用途に特化した堅牢なGPUラインナップです。

ゲーム用途に最適化されたGeForceと比べ、ECCメモリ搭載、ISV認証、長期供給など、業務継続性と信頼性に優れた設計が特徴となっています。

本記事では、RTX PROとは何か、GeForceとの違い、さらにプロがRTX PROを選ぶべき理由を整理し、RTX 6000 Ada世代との比較から最新Blackwell世代であるRTX PRO 6000 Blackwellの特性まで詳しく解説します。

NVIDIA RTXシリーズ(旧Quadro)とは?プロフェッショナル向けGPUの特徴を基礎から解説

ここでは、プロフェッショナル分野で重宝されるNVIDIA RTXシリーズ、特にその中でも近年注目を集めている「RTX PRO」の用途や特徴、GeForceとの違いについて解説します。

RTX PROシリーズの用途と強み|業務特化型GPUの真価とは

RTX PROシリーズは、映像編集や3DCAD、データサイエンス、AIモデルの推論といった、専門性と信頼性が求められる業務で本領を発揮します。

特筆すべきは、NVIDIAが提供するエンタープライズ向けドライバによって、主要な業務アプリケーションとの動作が綿密に最適化されている点です。
Adobe Premiere ProやAutodesk Revitなどでの作業において、描画エラーや動作の不安定さを最小限に抑えることが可能です。

また、RTX PROはECCメモリを搭載することで、長時間のバッチ処理やシミュレーション中に発生しやすいビットエラーの検出・訂正にも対応しています。大容量VRAMモデルも用意されており、複雑なプロジェクトにも十分に対応可能です。性能だけでなく、「止まらないこと」が求められる現場において、RTX PROは確かな安心感を提供します。

GeForceとの違いは?信頼性・サポート・ドライバの差に注目

RTX PROとGeForceは見た目やスペックが似ているようで、実際には「業務向け」と「個人向け」で根本的な設計思想が異なります。

RTX PROでは、ISV(ソフトウェアベンダー)認証を取得しており、AutodeskやSiemensなどの業務用アプリケーションと高い互換性が保証されています。加えて、ECCメモリの搭載により、演算エラーによるデータ破損を防ぐ設計がなされており、これが数時間以上かかるシミュレーションやレンダリング業務において大きな安心材料となるでしょう。

さらに、RTX PROは製品供給期間が長く、NVIDIAのエンタープライズ向けサポートにより、計画的な運用と保守が可能です。対してGeForceは、ゲーミングや一般向けに開発されており、こうした信頼性やサポート体制は重視されていません。

プロがRTX PROを選ぶ3つの理由

ここでは、プロフェッショナルな現場でRTX PROシリーズが選ばれる理由を3つの観点から紹介します。

理由① 高い安定性とサポート体制で業務を止めない

RTX PROが業務用GPUとして選ばれる最大の理由のひとつは、その「止まらない設計」にあります。

特に、ECC(エラー訂正コード)メモリの搭載により、長時間のレンダリングやAI推論中に発生するビットエラーを自動で訂正できるため、作業の信頼性が大幅に向上します。さらに、AutodeskやAdobeなど主要な業務ソフトウェアと連携したISV(独立系ソフトウェアベンダー)認証も取得済みで、安定した動作環境が保証されているのです。

また、長期供給や法人向けのエンタープライズサポート体制も整備されており、機器の保守や代替導入にも柔軟に対応可能です。これらの要素が揃っているからこそ、RTX PROは業務を止めたくないプロフェッショナルの信頼を得ています。

理由② プロ仕様アプリとの高い互換性と最適化

RTX PROは、単に高性能なだけではありません。最大の強みは、Adobe Premiere Pro、Autodesk Revit、Siemens NXなどのプロ向けアプリケーションと緊密に連携し、安定性を担保した環境を提供する点です。

NVIDIAの提供する専用のエンタープライズドライバは、これらのアプリに対して個別に最適化されており、描画エラーや動作不良のリスクを最小限に抑えます。例えば、3DCADで複雑なモデルを扱う際や、高解像度映像を編集する際も、処理落ちやソフトのクラッシュが極めて起きにくく、スムーズな業務遂行が可能です。

業務用アプリケーションとGPUの相性は生産性に直結するため、RTX PROのように専用最適化されたモデルはプロフェッショナルにとって欠かせない存在といえるでしょう。

理由③ 長期運用に向く保証体制と信頼性

業務で使うGPUは、短期的な性能よりも「長期的な安定稼働」が重視されます。RTX PROはその点において優れており、24時間連続稼働にも耐える設計、そして業務中断を抑えるハードウェアの信頼性を兼ね備えています。

また、ドライバやファームウェアも長期にわたって提供されるため、数年にわたる運用でも安定した環境を維持しやすく、企業のIT資産管理にも適しているのが魅力です。さらに、NVIDIAは法人向けに専用サポートやツールも提供しており、障害発生時の迅速な対応や予防保守といった面でも優れています。

こうした包括的な保証体制により、RTX PROは一度導入すれば長期にわたって安心して使えるGPUとして、プロフェッショナルの現場で選ばれています。

RTX 6000 Ada vs RTX PRO 6000 Blackwell|世代を超えた実力差を比較

ここでは、同じRTXファミリーに属しながらアーキテクチャが異なる「RTX 6000 Ada」と「RTX PRO 6000 Blackwell」を取り上げ、それぞれの技術的特徴と性能面の違いを比較します。

RTX 6000 Adaの概要とスペック|Ada Lovelace世代のハイエンドモデル

RTX 6000 Adaは、NVIDIAのAda Lovelace世代を代表するワークステーショングレードGPUです。高精度な演算性能と高速レンダリング、AI処理に対応できる構成となっています。

主な仕様を以下の表にまとめました。

NVIDIA RTX 6000 Adaの仕様
項目仕様
CUDAコア数18,176
Tensorコア(第4世代)568
RTコア(第3世代)142
GPUメモリ48 GB ECC GDDR6
メモリ帯域幅約 960 GB/s
単精度FP32性能最大 91.1 TFLOPS
AI推論性能(Sparse)最大 1,457 TFLOPS
消費電力(最大)約 300 W

このGPUは高精細ビジュアルや大規模データ処理にも対応できる設計で、リアルタイムレンダリングや科学計算、AI推論などの業務において優れた性能を発揮します。

RTX PRO 6000 Blackwellの進化ポイントとは?

RTX PRO 6000 Blackwellは、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Blackwell」を採用した最先端GPUです。

前世代からCUDAコア数が大幅に増加し、演算性能やAI推論速度が飛躍的に向上しました。96GBのGDDR7メモリにより、より大容量なデータ処理が可能になり、メモリ帯域幅や省電力性も強化されています。

NVIDIA PRO 6000 (Blackwell世代)の仕様
項目仕様
CUDAコア数24,064
Tensorコア(第5世代)752
RTコア(第4世代)188
GPUメモリ96 GB GDDR7 (ECC対応)
メモリ帯域幅1792 GB/s
単精度FP32性能125 TFLOPS
AI推論性能(Sparse)4,000 TFLOPS
消費電力(最大)600 W

AIやCG、シミュレーションといった用途で、より高密度なワークロードに対応できるよう設計されており、次世代の業務向けGPUとしての立ち位置を確立しています。特に生成AIや研究用途においては、RTX 6000 Adaでは到達できないスケールの処理を可能にしており、高性能かつ堅牢な選択肢として注目されているのが特徴です。
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どちらを選ぶべき?業務内容・用途別に最適なモデルを解説

RTX 6000 AdaとRTX PRO 6000 Blackwellは、いずれも高性能なGPUですが、用途によって最適な選択は異なります。

映像制作や3Dレンダリングが主であれば、Ada世代でも安定性と電力効率に優れており十分な性能です。一方、AI推論や大規模なシミュレーションを必要とする現場では、Blackwell世代の圧倒的な演算能力とメモリ容量が大きなアドバンテージとなります。

どちらも業務用として信頼性は高いため、ワークロードの種類と将来的な拡張性を見据えて選ぶことが重要です。電源や冷却環境、予算も加味しながら、自社の運用環境に最適なモデルを見極めることが求められます。

まとめ

RTX PROは、CADやAI用途に限定されるものではなく、あらゆる業務向けに設計された信頼性の高いGPUです。

GeForceとは異なり、ISV認証やECCメモリ、長期サポート体制を備え、業務を止めない安定性が強みです。最新のBlackwell世代では、AI推論や省電力性でも大きく進化し、プロの現場にふさわしい性能を発揮します。

導入を検討される企業は、NVIDIA最上位パートナーであるトゥモロー・ネットへの相談をおすすめします。インフラ最適化から導入支援まで、一貫したソリューションが得られるでしょう。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

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