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【徹底比較】CPUとGPUの違いとは?得意な処理・苦手な処理をわかりやすく解説 【トゥモロー・ネット テックブログ】

「CPUとGPUの違いがよくわからない」「自分の用途にはどちらが適しているのか知りたい」

そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。CPUとGPUはどちらもパソコンやスマートフォンなどに欠かせない重要なパーツですが、それぞれ得意な処理や活躍する場面が異なります。

本記事では、CPUとGPUの基本的な構造や役割の違いから、具体的な用途ごとの選び方までをわかりやすく解説します。初心者の方でも理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

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CPUとGPUの基本的な役割と構造の違い

ここでは、CPUとGPUの役割や構造の違いを解説します。

CPU(中央演算処理装置)の役割と特徴

CPUは、あらゆる命令をこなす「汎用の頭脳」として設計されています。複数ある高性能コアが、高クロックと大容量キャッシュを駆使して、順を追った複雑な処理を得意とします。

例えば、OSの制御、アプリケーションの実行、データベース操作といった環境では、条件分岐や逐次的な命令の流れが多く含まれるため、CPUの設計が有利に働くのです。

このように、CPUは少数だが高性能なコア構成で、多様なタスクに柔軟に対応できる汎用処理能力が最大の強みです。

GPU(グラフィックス処理装置)の役割と特徴

GPUは数百〜数千の小規模コアを並列配置し、大量のデータを一度に処理できる仕様です。元々は3D描画用に開発されましたが、その構造が行列演算や機械学習にも適していると評価され、現在ではAI分野でも不可欠な存在となっています。

実際、NVIDIAの最新GPUでは、CUDAコアやTensorコアを備え、行列乗算やピクセル処理などの並列演算において圧倒的なスループットを実現しています。また、並列処理の効果によって、ディープラーニングの学習時間がCPU比で10倍以上短縮されると報告されているのです。

したがって、GPUは大量の同じ処理を一気にさばく構造に特化しており、グラフィックスやAI、科学計算などで高い効率を発揮する専門家といえるでしょう。

CPUとGPUの得意分野と苦手分野

ここでは、CPUとGPUがそれぞれどのような処理で力を発揮し、どのような場面で苦手になるのかを解説します。用途に応じた処理性能の見極めが、ハードウェア選びの重要なポイントになるため、まずは両者が得意とする処理と不得意な処理を整理していきます。

CPUが得意とする処理

CPUは、少数精鋭の高性能コアを活かし、複雑で分岐の多い逐次処理に優れています。
理由は、CPUが高クロックかつ大容量キャッシュを持ち、制御や判定といった細かい仕事に長けているためです。

OSの動作、アプリケーションの実行、データベースでの問い合わせ処理など、命令の順序に依存する処理ではCPUが欠かせません。

したがって、複雑な制御や逐次実行が求められる場面では、CPUの構成的優位が最も効果を発揮します。

GPUが得意とする処理

GPUは、大量のデータに同じ命令を同時適用する並列処理において圧倒的な力を発揮します。

何百〜何千もの小規模なコアが一斉に動く構造に由来し、画像処理やディープラーニングの学習処理で特に効果的です。

AI学習ではGPUがCPUに比べて10倍以上高速に動作するケースが多く、画像のレンダリングや行列演算では効率の差が顕著に現れています。

したがって、並列演算を大量にこなしたい用途では、GPUが最良の選択肢となります。

CPUとGPUの苦手な処理

両者は得意分野が明確である一方、苦手な処理も補完し合っています。

CPUは逐次処理に秀でていますが、多くのデータを一気に処理する並列演算には不向きです。このため、大規模な行列処理や画像分析では性能劣化が目立ちます。

一方GPUは、同一の処理を繰り返す並列処理は得意でも、細かい分岐や逐次命令を含む複雑なワークロードでは効率が落ちるという構造上の制約があります。

つまり、用途によっては両者の弱点を補完し合う構成が効果的であり、最適なパフォーマンスにはバランスが重要です。

用途別に見るCPUとGPUの選び方

使用目的によって、選ぶべきCPUやGPUのスペック・モデルは大きく変わります。ここでは、オフィス業務、クリエイティブ作業、AI開発といった代表的な用途別に、最適なCPU・GPUの目安と具体的な製品例を紹介します。

一般的なオフィスワークやWeb閲覧

オフィス用途(Word、Excel、Zoom、Webブラウザ)であれば、4コア〜6コアのCPUが快適動作の基準になります。例えば、Intel Core i5-13400 や AMD Ryzen 5 5600G はバランスがよく、価格も手ごろです。

GPUに関しては、CPU内蔵グラフィックス(iGPU)で十分です。インテルのIris XeやAMDのRadeon Graphics(Ryzen搭載)がこの用途に向いています。

専用GPUを用意する必要は基本的にありません。

ゲームや動画編集、3Dモデリング

ゲームや高解像度動画編集、3Dモデリングでは、8コア以上のCPU(例:Intel Core i7-13700K、Ryzen 7 7800X3D)と高性能なGPUが必要になります。

GPUのおすすめとしては、4Kゲームやリアルタイムレンダリングに対応するNVIDIA GeForce RTX 4070 Tiや、BlenderやMayaでの3D用途にはNVIDIA RTX A2000やRTX 5000 Adaなどのプロ向けGPUが有効です。

特に長時間のエンコード作業やレンダリングでは、VRAM容量が8GB以上のGPUを選ぶと安定します。

AIや機械学習、データ解析

AIモデルの学習や大規模データ処理では、並列演算に強いGPUが主役です。代表的な選択肢は、NVIDIA RTX 4090や、エンタープライズ用途ではNVIDIA L40S、A100、H100などが挙げられます。

CPUも軽視できず、特に企業レベルでの本格的なAI開発では、データの前処理やストレージとの高速なやり取りを担うサーバー向けCPUが重要となります。具体的な選択肢としては、多コア・広帯域メモリをサポートするAMD EPYC™シリーズやインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーなどが挙げられます。

RAM(メモリ)も、扱うデータセットやモデルの規模に応じて大容量が求められ、サーバー1台あたり256GBから、大規模なモデルでは1TB以上を搭載することも一般的です。

まとめ

CPUとGPUは、それぞれ異なる処理に特化した重要なコンポーネントです。用途に応じた選定が、パソコンやサーバーの性能を最大限に引き出す鍵となります。

特にAIや機械学習、3Dレンダリングなどの高度な処理には、GPUの性能だけでなく、システム全体のインフラ構成も重要です。こうした専門性の高いニーズに対応するには、確かな技術力を持つパートナーが不可欠です。

NVIDIA最上位「Elite Partner」に認定され、数々の受賞歴を持つ株式会社トゥモロー・ネットは、AIに最適化された高性能インフラの構築をワンストップで提供しています。AI導入やGPU選定でお悩みの方は、導入事例や資料ダウンロード、相談窓口をぜひご活用ください。

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