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アプリケーションコンテナでパフォーマンスを落とさずIT コストを削減する【トゥモロー・ネット テックブログ】

企業も個人もインフレの影響に直面しており、コスト削減への関心が高まっています。私生活では、高額な旅行や外食などの贅沢を控えている人もいるでしょう。

企業においては、人員削減、オフィススペースの縮小、ハードウェアやソフトウェアベンダーとの高額な契約の解除など、さまざまな形でコスト削減が行われます。企業もまた時間や労力、適切なツールへの投資を必要とする働き方の急激な変換に対処するための移行期にあるため、コスト削減の必要性はまさに最悪のタイミングと言えるでしょう。

さらに、世界が AI 革命の瀬戸際にあるという事実も、こうした状況を一層悪化させています。

スマートな働き方による IT コスト削減

物理的なオフィススペースの縮小には、リモートワークの促進と、クラウドサービスの活用によってオンプレミスのデータセンターへの依存を減らすことが必要です。ただし、コスト削減のために契約を打ち切るという判断は、性急に行うべきではありません。

このような大胆な決断は、プロジェクトの途中で後戻りを余儀なくされるリスクや、必要なスキルを持つ人材の不足によってIT 部門のコストが増大する可能性があるからです。また、これらの革新的なテクノロジーの統合に取り組む人員が必要であるため、急いで人員削減を行うこともリスクを伴います。

より良いアプローチとは、改善と懸命な投資を通じて効率を高め、よりスマートに物事を進め、コスト削減を推進することです。AIの導入によってより少ない人員でより多くの成果を上げられると考える企業もありますが、AIの効果を引き出すには、従業員による適切な導入と運用が不可欠です。IT 業務の効率化など、コスト削減のために注目すべき分野は他にもあります。

本ブログでは、アプリケーションコンテナがコスト削減戦略に不可欠な要素である理由を解説します。

技術的負債の解消

現在でも、EXEファイルやWindowsインストーラーといった従来型のパッケージ形式でアプリケーションを展開することがありますが、これらは仮想デスクトップやリモートの物理エンドポイントの展開には適しておらず、エラーが発生しやすい傾向があります。

MicrosoftのPMであるジョン・ヴィンツェルはかつて、これを「XP ライフサイクル時代のテクノロジー」と呼んでいました。明らかにXP 時代のテクノロジーは技術的負債です。アプリケーションのインストールに失敗したり、単に壊れたりすると、企業はコストを負担することになります。

企業の IT チームが直面する主要なアプリケーションの問題については、こちらをご覧ください。(英語)

昨年の EUC Masters Retreat(現在はEUC Unplugged)では、企業内のWindowsアプリケーションの問題はフィールドエンジニアやサービスデスクによるバックアップイメージからのリストアなどにより問題の本質が隠蔽されがちであり、組織全体で問題の深刻さを把握できないという課題が指摘されました。

この問題はIT サービス管理(ITMS)ツールで追跡しきれないため、見過ごされ、結果として解決に時間がかかり、業務の生産性が損なわれます。

非効率なイメージ管理が DaaS と VDI の費用対効果を悪化させる

仮想デスクトップとクラウドの世界では、チームはすべてのアプリケーションを仮想マシンイメージに直接インストールする傾向があります。これはアプリケーションの競合につながり、解決には時間と労力がかかり、これもまた労働時間というコストにつながります。

さらに、IT部門は競合に対処するために複数の異なるイメージを作成する必要が生じ、その結果、これらの追加イメージを保存するため、より多くのストレージが必要になり、クラウドストレージの消費量に応じて多大なコストが発生します。

また、IT 部門はこれらのイメージの更新と保守に、より多くの時間を費やすことになります。このようなイメージ管理の結果、不具合修正のための変更や更新が業務の中断を招き、従業員のデジタルエクスペリエンス(DX)にも悪影響を及ぼします。

アプリケーションライフサイクル管理の自動化が鍵

ITにおける重要な取り組みの1つは、ライフサイクル管理とアプリケーションの合理化です。多くの企業はライセンス更新時に、「実際のそのアプリケーションが必要かどうか」を正確に把握できていません。アプリケーションの使用状況レポートは分析が難しく、しばしば間違っていることがあります。

現在、多くの企業は、アプリケーションが本当に使用されているかどうかを適切に測定できずにいます。特定のアプリケーションがインストールされているマシンの台数をもとに必要なライセンス数を把握しますが、これはすべてのユーザーがすべてのマシンでそのアプリケーションを使用していることを示しているわけではありません。残念ながら、アプリケーションの使用状況を積極的に監視しているわけではないので、使用されているかどうかに関わらずマシンに残ります。

このような情報がないため、ベンダーとの契約見直しやコスト削減を難しくしています。

セキュリティへの投資とアプリケーション管理のギャップ

現在、企業はセキュリティに巨額を投じていますが、アプリケーション自体の管理やセキュリティは見落とされがちです。

アプリケーションの脆弱性がニュースで報じられると、EUCチームに緊急にパッチを当てるよう指示することはありますが、実際にパッチが必要になった際に迅速かつ確実に適用できるように、Windowsアプリケーション管理の迅速化と信頼性向上にセキュリティ予算を投じることはあまりありません。

また、Windows アプリケーションをアプリケーション層で本質的により安全にする方法も見落とされがちです。アプリケーションは、すべての従業員が Windows デスクトップ上で行うすべての作業の中心となるため、境界セキュリティやOS上のエージェントで悪意のある人物による不正利用を阻止できると期待するよりも、アプリケーションレベルおよびアプリケーションごとにセキュリティレイヤーを適用する方が理にかなっています。

Windowsアプリケーション管理の問題を解決してITコスト削減を推進

Cloudpaging アプリケーションコンテナと Cloudpager を用いることでアプリケーションのインストールとアンインストールの失敗、アプリケーションの競合、更新時の中断など多くの問題を解消できます。

すべてのアプリケーションを仮想マシン外部でユーザーターゲティングを行い、リアルタイムでプロビジョニングプロセスを実行しながら動的に配信できます。これにより、必要な仮想マシンイメージの数を削減し、サポートチームが現在直面している多くのアプリケーション関連の問題を解消できます。

さらに、Cloudpager のポリシーを使用してライセンスの適用を自動化し、管理者が指定した一定期間の非アクティブ状態が続くとアプリケーションへのアクセスを自動的に削除することで、アプリケーションライフサイクル管理をプロアクティブに行うことができます。Cloudpager のアプリケーション使用状況レポートは非常に詳細なため、ライセンス更新時の意思決定にも役立ちます。ライフサイクル管理をプロアクティブに追跡できるようになったので、アプリケーションの削除やサポートの停止が問題を引き起こす心配がなくなります。

Cloudpager はユーザー権限に基づいて配信・制御されるため、共有マシン上でセキュリティを維持しつつWindows 10/11 Enterprise マルチセッション(最も低コストの Windows デスクトップ環境)を標準化し、最大6分の1のコスト削減も可能です。

アプリケーションコンテナは、分離機能と、コンテナ空間内外へのコピーを防止するオプション設定によって、セキュリティ上のメリットも提供します。 Cloudpaging のアプリケーションコンテナは、マシンごとにアプリケーションキャッシュを独自に暗号化することで、セキュリティをさらに強化します。コンテナが企業のセキュリティ体制をどのように強化するかについては、こちらのブログをご覧ください。(英語)

まとめ

Cloudpager は、非効率なWindowsアプリケーション管理に起因するコストや業務中断のリスクを解消し、企業の効率性向上とコスト削減に大きく貢献します。

また、ライフサイクル管理や使用状況に基づくライセンスの最適化といった既存のプロセスも強化し、従業員のユーザーエクスペリエンスを向上させ、管理者の労働時間を削減します。

長年にわたり、非効率な Windows アプリケーション管理が企業の IT 支出を増大させてきましたが、Cloudpager を活用することで、Windows アプリケーションのよりスマーかつ効率的な管理を実現できます。

これらの目標は、既存の App-V 投資を活かしながらも実現可能です。Cloudpager プラットフォームは、App-V パッケージを自動的に Cloudpaging アプリケーション・コンテナ形式に変換し、互換性・性能・可視性を大幅に向上させます。

従来 App-V ではパッケージ化できなかったアプリも Cloudpaging で実行可能です。Waterman 社をはじめとするお客様は、98%以上のアプリケーションパッケージ化に成功し、DevOps機能を通じて最新の Windows デスクトップ管理を実現しています。

Cloudpaging は App-V と同様の分離機能を提供しつつ、統合や分離の範囲をより細かく制御できます。これにより、他アプリケーション、プラグイン、ドライバ、COM+サービスとの互換性と相互運用性を大幅に高められます。さらに、App-V の接続グループを使わずとも依存関係を適切に管理でき、仮想レジストリの複雑な設定も不要です。Office アドインなどのプラグイン仮想化も、シンプルな手順で可能になります。

製品についてより詳しく知りたい方は、下記より是非お問合せください。
https://www.tomorrow-net.co.jp/contact/

本ブログは下記の英語ブログの抄訳です
https://www.numecent.com/2024/04/09/cut-it-costs-without-sacrificing-performance-using-application-containers/

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この記事を書いた人

株式会社トゥモロー・ネット

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