データ二次利用システムの構築
医療ソリューション事業部IGATAです。
私は現在ある病院様にて電子カルテのデータを二次利用するプロジェクトの導入リーダーを担当しています。
今回は私の経験則での話となってしまいますが、今回のプロジェクトで行ってきたことを書いてみたいと思います。
今回のプロジェクトに関しては下記2点を大きな目的、目標としてシステム構築を行ってきました。
①【電子カルテと接続してデータを二次利用できる形で保存する】
②【保存したデータを利用して、グラフや表などで表現して、院内で共有できるようにする】
最終的には②で掲げているアウトプットをユーザーに利用してもらうことで、情報共有による業務の効率化や、情報解析による経営面での支援に役立つことができて初めてデータの二次利用ができたといえると思います。
その中で今回のブログでは①【電子カルテと接続してデータを二次利用できる形で保存する】に対して今回のプロジェクトでどういうことを行ってきたかを話していければと思います。
【電子カルテと接続してデータを二次利用できる形で保存する】
ここでのポイントは「データを二次利用できる形で保存する」という部分になります。
病院内には、すでに電子カルテシステムを利用することで診療にかかわる様々なデータが膨大にたまっていますが、このデータはあくまで電子カルテシステムで診療を行うために設計されたデータです。
集計や統計を全く行うことができないというわけではないのですが、そのデータの多くは集計や統計を行うのに適さない形での保存方法になっています。
そのデータをそのまま利用しようとすると、出力するプログラム上での変換や集計処理を行うこととなり出力に多大な時間を要することになります。
「報告書に記載するために今月の患者数の集計結果が見たいだけなのに…。」で、何分とか何十分も待ってられないですよね。
そのため電子カルテにたまっているデータを、利用方法に合わせて集計しやすい形に「加工」、「保存」する設計が必要になります。
ではでは「加工」と「保存」の設計に関しての話を順番にしていきます。
【データ保存の設計】
まずはデータの受け皿となる保存場所の設計を行いました。
保存の設計に関しては規格があったりするのですが、今回はプロジェクトの規模、期間を考えて、病院様が要望しているグラフやアウトプットを確認してその病院様独自の設計を作りました。
これでデータの受け皿は完成です!
…データ二次利用のシステム構築に関しては初めてのことだったので、受け皿だけ作るのにもイロイロと奮闘したのですが、
文章に書いちゃうと1、2行なんですね。。。
補足になりますが、保存の設計には電子カルテから提供してもらえるデータのとり方もある程度イメージしながら設計を行う必要もありました。実は電子カルテにデータはあるものの、複数のデータを関連付けて取得しようとすると希望する形でとることができないデータもあったりして、アウトプットを違う形で表現することになったものもありました。
【データ加工の設計・製造】
さて次は加工に関してです。
加工は今回大きく分けて2つの工程になりました。
・電子カルテデータを変換してこちらの受け皿に落とし込むための設計(マッピング)
・変換の設計に基づいたデータ変換プログラムの製造
ここで半端なく苦労したのが変換の設計「マッピング」です。今回はこちらで利用してよいデータを公開してもらえ、QAとして電子カルテの担当者さんが回答してくれる方式でした。なので、こちらがほしい情報を事細かにまとめなくてはいけません。まとめた内容を電子カルテのご担当者様に「こういう条件でこういうデータがほしいんです!!」と伝えて回答をもらい、「いや、そうでなくて、もうちょっとこういった条件で!」とのやり取りが複数回続きます。1つのデータで。。。今回は細かな部分で50以上のデータを取らなくてはならず最初は途方に暮れていたのですが、最終的には、担当者の方にQueryのサンプルを組んでいただきました。それで出た結果をみることでデータの整合性を検証することで設計精度を上げていくことができました。
※今回QA担当してくださった方へ:念入りなご質問やご相談、またこちらの無理を聞いていただきホントにありがとうございました!!
ここまでくれば力作業です。設計された「加工」「保存」の武器を元にどんどんプログラムを書いていきます。もちろんテストもしっかりと!
十分にテストを行ったプログラムは、最終的にアウトプットのグラフや表をお客様に検証していただいて本番リリースとなります。
データの二次利用を実際に構築してみての感じでブログを書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか。
これからもいろんな分野にチャレンジした結果をお伝えできればと思います。
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