2017.11.17

液体浸潤システム「CarnotJet System」

こんにちは、クラウドソリューション事業部のNashimotoです。
10月18日に「東京工業大学大岡山キャンパス 学術国際情報センター」にて開催された、Green Revolution Cooling 社(以下GRC社)のセミナーへ参加いたしました。

◇ GRC社とは?

2009年に設立され、CarnotJet Systemというシステムを提供している会社です。
どのようなものかと言いますと、特殊な液体にサーバーを浸し冷却するシステムです。
こちらは後ほどご紹介いたします。
また、日本での導入事例としては、東京工業大学のTSUBAME KFCスーパーコンピューターがあります。

メーカーページURL
https://www.grcooling.com/

◇ CarnotJet Systemとは?

(英語の羅列が続き、大変恐縮です。。。)
色々な呼称はあるようですが、私は液体浸潤システムと呼んでいます。
イメージとしては、下記のような専用のラックに冷却用の液体を入れ、その中にサーバーを垂直に搭載します。

液体浸潤システム

メンテナンスの際にも同じく、サーバーを垂直に引き出す必要があります。
(皆さん腰には気をつけましょう!)

真ん中と右側が、サーバーを搭載するラックです。(上蓋が開閉します)
こちらは、42Uタイプのラックとなりますが、52Uタイプのラックもあるようです。

また、左側の白いBoxが、各ラックに入っている液体を循環させて、冷却させるためのポンプモジュールです。
このシステムの大きなメリットとして、下記の3点が挙げられます。

①非常に高い冷却効率
最大で冷却エネルギー消費量90%削減、エネルギーコスト35%削減も可能です。
(詳しくはGRC社ホームページをご覧ください)
下記のグラフは、データセンターの合計消費電力を比較したグラフです。
左側が既存のデータセンター(空冷)、右側が液体浸潤システムとなります。

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②人体・環境に優しい
GRC社で提供している冷却用の液体は、”Electro Safe”という冷却用の液体は、とても環境に優しいです。
身近なところとしては、目薬や化粧品などにも使われる素材を利用していますので、人体への影響が少なく、また、廃棄の手間もかかりません。

③システムの設置場所を選ばない
データセンターのような、センター全体を見据えての冷却環境設備が不要となりますので、システムの設置場所を選びません。
TSUBAME KFCのように液体浸潤システムをコンテナ内部に設置し、コンテナを丸ごと設置、という方法も可能です。
※システムによって水道環境が必要となります。

◇ TSUBAME KFCの見学

最後に、TSUBAME KFCへの見学の機会をいただきましたので、ご紹介します。
※写真は東京工業大学様に許可をいただき、撮影しております。

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TSUBAME KFC 外観コンテナ

このコンテナの中に、液体浸潤システムのラックが設置されています。

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TSUBAME KFC 冷却タワー

コンテナ内部と繋がっており、循環した液体をこのタワーで冷却します。


ラック内部

ラック内部は液体で満たされており、40台の1Uサーバーが搭載されています。
液浸仕様として、サーバー内部のファンが取り除かれているので、稼働音もほとんどなく静かでした。


ラック背面

ケーブル類は、ラックの背面で束ねられています。

Web上で写真を見ることはあっても、実際に稼働中のシステムを見ることは初めてでしたので非常に良い経験になりました!

また、弊社では上記ご紹介させていただいた、液体浸潤システムの取り扱いも可能です。
ご興味がございましたら、お気軽にお問合せください!

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!

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