2017.07.14

災害医療の現状

2児のパパMiyahara奮闘日記です。。。違いますね。医療blogです。

さて、今回は・・・・電子カルテ導入編の本編にと思ったのですが、いい加減シリーズ物ばかりだと先が長すぎて飽きてしまうので、目先を変えて、医療現場の実態に沿った話をしたいと思います。

医療クラウド

特に医療においては、導入編でも書いている通り、電子カルテが普及してきてコンピューターシステムが無いと困るという時代が来ています。
その困るという状態で、将来発生する可能性のある関東大震災や不測の事態(最近は、近隣諸国の情勢が危うい)を想定した災害医療と言う点で話をしてみたいと思います。

■ 災害時は病院も被災という厳しい状態

災害医療と言うとつい最近では、熊本の震災や東日本大震災が思い浮かびます。
関東にいると離れた地ですので、実感としては分かりづらい所が本当のところでしょう。
ただ、帰宅難民となったり、被災した場所の出身だったりするとより身近に感じる人もいるでしょう。
私も東日本大震災の際には、帰宅するのに6時間以上もかかって歩いて帰宅し、家の中がぐちゃぐちゃになっていたり、住んでいたマンションの地面に隙間ができたりと愕然となる状況がありました。

マスメディアの報道でもあったように災害時の支援として、自衛隊等が物資や食料の支援をしたりしています。
当然、災害なので、けが人や病気になる人、入院している病院が被災する等、悲惨な状況が実際に起こっていました。

災害時の医療として、緊急時は、地元の医療関係者をはじめ、DMAT等の医療チームを中心に支援活動し、日本医師会災害医療チーム(Japan Medical Association Team: JMAT)をはじめ、大学病院、日本赤十字社、国立病院機構、日本病院会、全日本病院協会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会等の医療関係団体 から派遣される医療チーム等も災害支援される医療スタッフが対応をしてきています。

そんな災害現場の医療支援で奮闘する医師や看護師、その他医療スタッフが、丁寧に患者に向き合って、対応する姿が報道で良くされていました。
災害現場では、被災した人の心境や状態を考えると対応は非常に難しい事が想定されます。

■ 災害時のコンピューターシステムについて

それでは、自分が携わるコンピューターシステムは何ができるのか?と考える事もありますが、実際は、災害で一番弱いのは電気を利用する物だろうと思います。
特にコンピューターシステムは、熱くならないようにとか揺れないようにとか取り扱いは慎重になります。
そんな中での災害なので、一番すぐに停止する機能と言っても良いでしょう。
現代は、無いと困るコンピューターシステムですが、被災した際には、コンピューターが流されたり、水につかったり、停電したり、火災にあったりとありとあらゆる災害により、利用が困難になる事が想定できます。
あると便利ですし、患者のリスク管理と言う点でもコンピューターシステムに保管されている情報は非常に重要で、すぐに使える環境に無いと意味が無いというところです。

熊本の震災で奮闘された薬剤師さんと話をした時にも現場では、医師との連携で対応をしていたが、コンピューターシステムの利用ができないので、患者本人に聞いたり、医師の判断で対応したりとその場の対応で乗り切ってきたとおっしゃっていました。

そこに「災害時でも利用可能なタブレット型の移動可能な安定した情報供給ができるシステムがあると医療を提供する側は安心して処方や治療ができますよね。」と薬剤師さんと話をしましたが、災害現場では、多くの患者を診療し治療をしますので、その正確性と迅速性を確保する事は高度医療に匹敵するほど大変な事だろうと思います。

■ 重要な情報を外部保存するクラウド型システム

停止しないシステムを目指すとすると今までの病院に設置されているコンピューターシステム(オンプレミス)では、災害に弱いので、将来的には、インターネットを利用したシステム(クラウド化)が推奨されてくるであろうと思います。
医療情報のクラウド化は、その情報があまりにもセンシティブなので、まだまだ実現まで時間を要すると思いますが。。。

災害時に患者の診療データが無くならない事や患者情報を見る事ができるのは、災害時直後も災害後の復旧にも迅速且つ患者への適格な医療提供が可能となる事は間違いないと思います。
しかし、その環境を準備するには多くの時間と費用がかかってしまいます。

また、医療機関でも患者の個人情報をクラウド型システムに対して推進派と慎重派で分かれています

保守的な考えを持っている医療機関も多いのですが、あえて言うならコンピューターシステムに100%の安全性は確保ない、と言うことを医療機関が理解する事が必要です。

私が担当していた某大学病院の医療情報システムの担当医師は、コンピューターシステムは止まる物と言う前提で病院スタッフの教育、災害対策、システム停止対策をされていました。

どのような利用方法とするか、目的にあった病院での利用運用や患者への掲示、周知が医療機関としては重要で、セキュリティー管理も含めて、病院のポリシーをしっかり決めて、病院周知の基で運用する事が重要です。
どんなにクローズドな環境でもインターネット上での環境でもリスクの種類は相違しても患者データの保管管理に対するセキュリティー管理方法の確立をする事が大切と思います。

東日本大震災を含め、大変不幸な災害でしたが、このような大規模災害での教訓を活かされる事を切に願います。

ドクター・フォースならクラウドに保存された患者情報を迅速に検索、参照することにより、医療情報システムが停止している間も診療業務が継続可能です。

 

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