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成城大学様

事例詳細

オールフラッシュ構成のvSANへのリプレース
Optane採用でI/O性能の高速化と
レイテンシーの大幅改善を実現
1950年創立の成城大学では、学内のネットワークやアプリケーションなどを支えるインフラとして仮想ストレージ基盤のvSANを利用してきました。ハードウェアの老朽化による問題が顕在化してきた2019年、最新のハードウェア上で稼働するvSANへとリプレース。
その際、目的に合致した構成にするために、推奨機器であるReady Node以外のハードウェアの導入を検討。
SIパートナーであるトゥモロー・ネットとともに検証を重ね、SDSの利点を生かした導入を実現した成功事例です。

導入ポイント

・SDSであるvSANの自由度を生かした仮想ストレージ基盤を構築

・OptaneとNAND 型SSDの組み合わせによる、オールフラッシュ構成のvSANにリプレース。
 I/O 処理の高速化とレイテンシーの低下を実現

・推奨機器であるReady Node以外のハードウェアの選定と検証に、トゥモロー・ネットが貢献

どこでも学習できるICTインフラを学生に提供。それを支えてきたSDSのvSAN

 東京都世田谷区にキャンパスを構え、「グローバル社会を生き抜く『独立独行』の人を育成する」を掲げる成城大学。1950年の設立以降、政治や経済、芸術、マスコミなどのさまざまな分野に多くの人材を排出してきた同校は、人文社会系の総合大学としての側面を持ちながら、学生の論理的な思考を伸ばすべく理数系の教育にも注力している。

この理念は、学内のITインフラにも表れている。構内全域にWi-Fiネットワークが引かれており、学生は自らのPCやスマートフォン、もしくは自習室やラウンジに用意されている貸し出し用のPCを用いて、場所を問わずにネットワークに接続することが可能だ。それらネットワークや機器の管理のほか、メールや各種アプリケーションなどIT全般を管理するのが、成城大学メディアネットワークセンターだ。

同センター 課長の五十嵐一浩氏は、ITインフラ整備への思いを「学生のみなさんに今のITを体験してほしい」という言葉で表した。現在の学生は、いろいろな場所で、ネットワークを通じて友達や教師と交わりながら勉強をしている。五十嵐氏は「静かに勉強したいときは図書館、一人で集中したいなら自宅。そして大学に来たら、交流しながら学んでいく。そういう環境を、そのとき旬のテクノロジーを使って提供することで、今のITを体験してほしいのです」と教育とITインフラの関係性について語った。

それを支える仮想ストレージ基盤として利用してきたのが、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)の「VMware vSAN」である。vSANを用いれば、複数のストレージを仮想的な一つのストレージとして柔軟な利用が可能となる。成城大学では2014年からvSANを導入していたが、2019年に改めてvSANを用いた最新の仮想ストレージ基盤へとリプレースした。

バージョンアップにより機能や運用性の向上を実感
再びvSAN導入へ

 刷新の理由として五十嵐氏は「ハードウェアの老朽化」を挙げた。以前のvSANは導入から数年が経過したこともあり、管理アプリケーションなどにレスポンス遅延が発生していた。さらに夜間のバッチ実行時にI/O処理が遅くなり、一晩で数十通のアラートが通知されるといった問題も起きていた。

「当時はvSANが発表されて間もなかったこともあり、手探りで模索しながら構築したので、これ以上のパフォーマンスが期待できない面もありました」(五十嵐氏)

そのうえで仮想ストレージ基盤として再びvSANを採用した理由について、五十嵐氏は「SDSの高い自由度」を挙げた。4年前の導入時のvSANはバージョンが5.5だったが、2019年には6.7までバージョンアップし、安定性や運用性も向上していった。その利点を感じてきた五十嵐氏は、「ソフトウェアで機能を上げられるというSDSの自由度の高さを享受してこそ、vSANを利用する意味があると考えています。現在安定しているからといって、アップデートをせずに現状のまま使い続けるのは意味がありません」と持論を口にする。

vSANの自由度を生かすため手組みのハードウェア検証にはトゥモロー・ネットが貢献

 SDSの利点を引き出すためのポイントとして五十嵐氏が挙げたことは、ハードウェアを自分たちで選んで組むという「ハードウェアの手組み」だ。vSANは、Ready Nodeとして推奨されたハードウェアを使えば、確実に、かつ短期間で導入できる。しかし使いたい機能の種類、拡張性を考慮すると、ReadyNode機器だけでは構成できないケースもある。実際、五十嵐氏が考えていたことを実現するにはReady Node機器では足りなかった。

その解決に大いに寄与したのがSIパートナーであるトゥモロー・ネットだった。vSANの豊富な実績とノウハウを持つトゥモロー・ネットは、他ベンダーでは構成が難しかった要件をSupermicroサーバで提案。五十嵐氏と協力し、話し合いを重ねながら新しいvSAN導入に向けた検証活動を行った。

「ハードウェアの選択には非常に悩んでいましたが、Ready Nodeに希望する仕様のものがないとき、トゥモロー・ネットは『それなら、コンパチブルがあります』と互換性のあるハードウェアを持ってきてくれました。検証中に、ハードウェアにバグが見つかった場合も、すぐにその情報を届けてくれました。それらの支援のおかげで、本番環境を構築する前に、必要なファームウェアのアップデートを済ませることができました」
(五十嵐氏)

Optaneとの組み合わせでI/O性能が大幅にアップ。重い管理ツールでの遅延も解消

ディスクインターフェイス毎のレイテンシー測定
ディスクインターフェイス毎のレイテンシー測定
 トゥモロー・ネットとの二人三脚での検証を経て、2019年4月、Intel Optaneメモリーテクノロジー(Optane)とNAND型SSDを組み合わせたオールフラッシュ構成の仮想ストレージ基盤ができあがった。

五十嵐氏が特に期待していた新機能がOptaneだ。これはキャッシュ用の高速なSSDであり、システムの応答速度を上げ、I/Oのレイテンシー(遅延)を減らせる。

五十嵐氏はそのメリットについて、「ストレージ性能を示すのに、1秒あたりの処理できるアクセス数であるIOPSが多く用いられますが、IOPSの値が高いからといって、利用する現場にメリットがあるとは限りません。私が重視しているのはレイテンシーです。遅延が少ないほうが大きなメリットがあります」と説明する。

Optaneを組み込んだ新しいvSANではI/O処理の性能が大幅に向上した。「レイテンシーの単位が変わったことに驚きました。レスポンスの値がミリ秒からマイクロ秒の単位になりました」(五十嵐氏)

特に効果を感じるのが大きなデータベースを操作する管理系アプリケーションを使用するときだという。Wi-Fiネットワークでは、アクセスポイントごとに接続されている端末などの利用状況を管理しているが、そのような大量のログを蓄積していくシステムがいくつか稼働している。それらを管理系アプリケーションでチェックする際に大量のアクセスが生じる。

「管理系アプリケーションはデータベースに負担をかけるため、ストレージのI/OはもちろんCPUやメモリにも負荷がかかります。以前は、結果が出るまでしばらく待たされましたが、今ではすぐに表示されます。夜中に届くバッチ処理のアラートの通知も今では2、3通に減りました」と五十嵐氏は、機能の向上に対する驚きを隠さず語った。

IT活用の変化に対応すべく、vSANの進化を継続

 新しいvSANのシステムは順調に稼働し、学内のIT利用を支えている。しかし、大切なのはこれからだと五十嵐氏は見ている。現システムでは10GBASE-Tのネットワークを使用しているが、利用が増えればさらに帯域の広い25GBASEへグレードアップする必要性も生じるだろう。ネットワークの性能が上がれば、それを生かすためにCPUのグレードアップも必要になるかもしれない。

「システムを運用していると次の課題が見えてきます。それを改善していけばどんどんパフォーマンスが上がっていきます。それに柔軟に対応できることがvSANの良いところです。これからのIT活用の変化にvSANを対応させていくためにも、トゥモロー・ネットを頼りにしています」と五十嵐氏はvSANへの期待と今後の発展への抱負を口にした。

成城大学

1950年創立の人文社会系の総合大学。文部次官や東北・京都帝国大学総長などを歴任した澤柳政太郎の手により1617年に創立された私立の小学校に端を発する。「学校は真理行われ道徳が通りまた美的の所でありたい」という澤柳氏の理念を受け継ぎ、「グローバル社会を生き抜く『独立独行』の人を育成する」をビジョンに掲げ、自分の信じる道を、自分で開いて往く社会人を世に送り出している。

所在地:157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20
創立:1950年4月1日
事業内容:教育・研究
URL https://www.seijo.ac.jp/

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